断腸亭料理日記2009

鶏丼

3月28日(土)第二食

たまには、こういうものも、書いておかなければいけない。

土曜日、で、ある。

今週末は、けっこうな量の仕事を持ち帰っている。
ウイークデーは、まとまった時間が取れず、
今週中にまとめておかなければならないものの
資料作り。

おそらく、土日とも、つぶれそう、で、ある。

朝は早めに起きてしまったので、
そのままパソコンに向かって、仕事をする。

仕事をしながら、なにを食べようか、考える。

しかし、とはいっても、いつものように、ぼんやりと、
テレビを見ながら考える、あるいは、
会社の喫煙室で、一人、煙草を吸いながら考えるのとは
わけが違う。

まとまった仕事をしているので、余計なことは、
まあ集中して考えることはできない。

そして、作るものも、そう手間や時間が掛かるものは
だめ、で、ある。

丼物、なんかはよいだろう。

冷蔵庫、冷凍庫にある、あり合わせの材料。
それも、できるだけ簡単に。

冷凍庫に凍っている、鶏もも肉。
これを使って、焼き鶏丼のような、ものは、どうだろうか。

焼いて、タレだけをからめる、というような。

仕事の手を少し止めて、米だけは研いで、
水加減をし、浸水だけをしておく。

鶏もも肉、というのをいつも大量に凍らせておくのだが、
これは便利、で、ある。

買ってくるのは、近所のハナマサ。
ハナマサ、というのは、東京にお住まいの方は
ご存知であろうが、黄色い看板。
飲食店向けの業務用という触れ込みで、
肉類を中心とした、スーパーである。
実際には、肉類以外にも、冷凍、チルドを含めた、
魚、野菜、調味料、乳製品、から菓子、などの
大容量の商品を扱ってる、食品スーパー、で、ある。

ここで、ブラジル産鶏もも肉の4kg入り、というのを
最近は買っているのである。
1枚当たりの単価は、むろん最も安い。

もともとは、冷凍で、それをもう一度冷凍し直すので、
あまり、よくはないのだろうが、特段問題は感じていない。
ブラジル産、とういうのが、大丈夫なのか、
という気も、しなくはないが、意外に、これがうまい、
のである。
鶏肉、というのは、国内産で、地鶏、の、ようなものは
色が濃いが、ちょうど、そんな色。

ま、ま、そんなことで、気に入って
凍らせて、いるのである。

ともあれ、また、仕事に戻る。


11時頃、思い出し、浸水した米を見る。
よさそう。
かためモードでスイッチを入れておく。

鶏肉を冷凍庫から出し、
レンジで解凍。
半解凍程度で、やめて、あとは自然解凍のため
置いておく。

再び仕事へ。

小一時間、飯が炊ける。

ここからは、調理。

もも肉は、火が通りやすいように、厚みのある部分に
皮側でない方から、包丁目を入れておく。

ガスのレンジに入れ、皮側から、焼く。

こんがり焦げ目をつけて、ひっくり返し、
反対側も焼く。

そこそこ火が通ったかな、というところで、
冷蔵庫から、甘いたれ、を、出す。

今日の、唯一のポイントはここかもしれない。
なん度か書いているが、もともとは、穴子の煮汁。
これを煮詰めたものだが、他の魚の味も
ついてしまい、本当の穴子の煮汁とは、分けている。

これで、つけ焼きにする、のである。
本当は、鶏肉で同じようなタレを作っておけば
(わゆる、焼き鶏のタレ、である。)
もっとよいのだが、魚系でも十分であろう。

冷蔵庫に入っているので、固まっている。
レンジで数十秒温め、溶かす。

小鍋に少し入れ、焦げ目のついた
もも肉を入れ、両面にからめる。

そして、もう一度、ガスレンジに戻し、
両面、再度、軽く、焼く。

香ばしい匂いがしてきたところで、終了。

丼に飯を盛り、焼けたもも肉に、最後にもう一度
鍋のタレをからめる。
俎板の上で、食べやすい大きさに包丁を入れ、
飯にのせて、最後に、上から、もう一度タレをかけまわす。

完成。


なかなか、うまくできた。

魚のタレでも、OK、で、ある。
飯に染みて、うまい。
鶏肉の焼き具合も上々。

こうしたタレを作っておくと、
こんな時に、重宝、で、ある。

こうしたタレの作り方は、結局、煮汁を
トロトロになるまで、煮詰める、だけ。
以前は、水飴だったり、ゼラチンやら、入れてみたが、
プロの、穴子の煮汁のツメ、は、煮詰めるだけ、
というのがわかり、それからは、気長に煮詰めている。
一点だけこのポイントは、しょうゆを入れすぎないこと。
結局、あの、トロトロは、魚のゼラチン質、というのも
あるのだろうが、ほとんどは砂糖。
砂糖はいくら多くてもよいのだが、煮詰まった時に、
バランスの問題だが、しょうゆが多すぎると、
塩辛くて食べられないタレになってしまうので、
気を付ける、ということ、で、ある。

ともあれ、うまかった。

食い終わり、またまた、仕事に戻る。



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