断腸亭料理日記2009
6月27日(土)第二食
さて。
土曜日。
12時すぎ、自転車で出る。
天気予報では、真夏日になるといっている。
カンカン照りで、もう既に、暑そうである。
麦わら帽子を被って、短パンにTシャツ。
足は、雪駄という、わけのわからない格好。
向かう先は、丸の内。
まったく、そぐわない格好である。
目的地はどこかというと、お濠のそばの
帝劇の隣のビル。
なぜ、そんなところへいくのか、と、
説明すると長くなるのだが、ちょっと書いておきたい
ことでもある。
江戸扇子、というものをご存じであろうか。
少し前だが、NHKの土曜の朝、ニュースの枠で、
取り上げていたのである。
江戸から続く、江戸扇子の職人がごくわずかだがいらっしゃり、
今でも作っている。
そして、それを、東京の美大の学生さんが彼らのセンスで
デザインし直したものを作って売っているという。
これは江戸川区、千葉商科大などのプロジェクトで、
扇子に限らず、江戸職人の技術を現代の感覚で、
掘り起こそうという、まあ、地域おこし企画、でもあるよう。
この江戸扇子、なるものが欲しくなった、のである。
そして、その千葉商科大学のショールームのようなものが
丸の内にあり、そこに商品が展示してあるというので、
見にいってみよう、ということにしたのである。
で、江戸扇子、とは、どんなものなのか。
実は、私は、江戸扇子、ということばは知らなかったのだが、
既に、江戸扇子を随分前から使っていた。
なにかというと、落語で使う扇子。
見てわかる通り、今一般に使われている扇子に比べて、
一番外側の竹(親骨というらしい)が太く、先端に向かって、
三味線の撥(ばち)のような形に広がっている。
そして、広げると、骨の数も(むろん折も)少ない。
今、東京の落語家はこの扇子を使っており、
高座扇(こうざせん)などと扇子や、では呼んでいる。
これが江戸扇子の形のようなのである。
この落語家が持つ、高座扇は、紙には絵もなにもなく、
まっ白だが、江戸扇子を作られている、職人さんのものは、
様々な粋な柄が入っていたり、渋(しぶ)を塗ったもの、
骨の竹も、すす竹、といって渋い色だったりと、
高いものでは、数万円にもなる。
(ちなみに、学生さんのものは、2〜3000円。
高座扇は上野浅草あたりで、1000円ちょいで
売っている。)
丸の内のショールームへきてみると、見られるが、
ここでは、買うことはできない様子。
ものだけは、確認。
(Webで購入可、一本注文中。)
そんなこんなの江戸扇子。
しかし、よくよく、考えてみると、扇子というのは、消耗品。
私も駅などの出店で売っている、1000円の、安い、
富士山の絵などが印刷されているものを
毎年買って、使っている。
ひと夏使うと、ぼろぼろになるし、よごれもする。
そうそう高いものを使わなくとも
よいようにも思う。
であれば、安い高座扇を普段に使っても、問題なかろう。
高座扇と思うと、ありがたそうだが、
実際は、江戸扇子の絵のないもの、という出自
なのではなかろうか、、、。
そんな想像も成り立つであろう。
まっ白の高座扇は、普通の扇子以上にむろんのこと、
よごれは目立つ。いや、ほんの少しでも染みがついたら、
ちょっと、持ち歩きたくなくなる。
だが、まっ白なのは、やはり気持がよい。
普段に使おうか。
そんなことを考えつつ、丸の内から、銀座、中央通りへ出て、
真っ直ぐに、上野へ戻る。
麦わら帽子をかぶってはいるが、暑い。
実のところ、風を切ると、帽子は脱げて、
紐が付いてるので、飛びはしない、後ろへまわり、
信号で止まっているときは被り直すが、
あまり役に立っていないのではある。
高座扇は、上野では上中という、中央通りとJRの
真ん中の通りにある、外人向けの和風のみやげものなども
売っている、和装店に置いてある。
自宅には2〜3本あるが、ストック品として、
ここで、二本調達。
ここから、自転車を押して、いつものアメ横の
魚やへ。
まあ、予定の行動、で、ある。
自転車を押していては、魚は選べないので
そばにとめて、見る。
今日は、なにがあるかな?
なんとなく、毎度、かわりばえがしないようだが、、、
メジ、、、800円。
鰹、、、、500円。
鰹も安くなった。
(今年は不漁だとも聞いたが、そうでもないのか?)
だが、今年二回もさばいているので、もうよいだろう。
メジ、にしてみようか。
いつもの坊主頭の、親爺さんは立ってお食事中。
もう一人の親爺さんに声をかけて、購入。
炎天下であるから、さっさと、自転車を飛ばして、帰宅。
こんな感じ、で、ある。
大きさは、ほぼ、前に買った鰹ぐらいか。
(と、すると、2kgほどか。)
と、いったところで、長くなった。
今日はここまで。
続きは明日。
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