断腸亭料理日記2009

うるめ鰯

2月27日(金)夜

金曜。

風邪は、相かわらず。
今日も、ちょいと早く帰る。

帰り道、御徒町の吉池、に、寄る。

ここのところ、端境期、というのでもなかろうが、
アメ横もここも、なぁ〜んとなく、ピンとくる魚がなかった。

ピンとくるというのは、安くてうまそうな、ということである。
むろん、値の張るものはいくらでもある。

例えば、鰹。
もう、初鰹、なのであろうが、半身で1000円を超える。
あるいは、少し前から、おこぜ、なども見える。
(名古屋では2〜300円だったか)これも、一匹1000円弱。

今日、目に留まったのは、うるめ鰯。
焼津産、一匹、100円。
真鰯もあるのだが、こちらは、一匹、130円。

たった30円の違い、で、あるが、
やはり、鰯は100円を越えてはいけない、
ように、思われる。

うるめ、これはよいかもしれない。
ギトギトした銀色。


それから、、と。小柱、と、書いてあるパック。
300円とは安い。
これも買おうか。


鰯、というのも東京では、3種類出回る。

真鰯

うるめ鰯

しこ(かたくち)鰯

真鰯、が、やはり一般的ではあろうが、うるめ鰯も、しこ鰯も、
刺身、酢〆、なめろう、つみれ汁、塩焼、フライ、
などなど、いろんな調理法があり、どれも、うまい。


帰宅。


袋を開けて、出してみる。


よい色である。
そして、これは、大きい、ようで、ある。

調べてみると、うるめ、というのが、
一番大きくなるようである。

目が潤んでいる、ように見える、ので、うるめ、と、いうことらしい。
そういわれれば、潤んでいるような、いないような、、。

また、目刺しといえば、うるめ、と、いうの決まり、に、
なっているが、これは、干した場合、
うるめが最もうまいから、ということのよう。

ともあれ。

鮮度もよさそう。
まずは、刺身。

三匹買ったが、二匹おろそう。

頭を落とし、尾を左、腹を手前に置き、
頭側から、腹に包丁を入れる。
腹もしっかりしている。やはり鮮度がよいのだろう。
腹にスーッと、包丁の刃が入るのは気持ちがよい。

腹を出し、今度は、背を手前にし、頭側から包丁を入れ、
背側上の身を、骨から外す。
今度は腹を手前、頭を左にし、中骨に沿って尾っぽから
包丁を入れ、一気に頭側まで、切り取る。
これで二枚。

ひっくり返し、尾を右にし、やっぱり尾から
一気に中骨を外す。
ハラスの小骨を取る。

最後に、頭側から、皮を引く。

水洗いし、三枚終了。
ペーパータオルに載せ、水気を切っておく。

もう一匹、同様に。

二匹終了。

刺身包丁で切る。

しょうがをおろす。

盛り付け。
一緒に買った、小柱も、出す。


うるめ鰯、と、いうのは、刺身で食うと、
鰯の中でも、白身に近い、などともいわれるくらい、
一番淡白。
しかし、脂がないわけではない。
生ぐささが少ない、というのか、
上品、なのである。

小柱。
妙に安かったので、気が付くべきであった。
普通、小柱といえば、むろん、青柳(バカガイ)の
貝柱、で、ある。
しかし、これは、見かけは似ているが、味はまるで違う。
小さなホタテ、で、あろうか。
よくわからぬが、そちら系の、味。
(や、ら、れ、た。)

もう一匹は、深夜。

ぬた、で、ある。

ちょっと〆たものもうまいかと思った。

軽く塩をして、酢をくぐらす程度。

ねぎは普通の長ねぎ。
いつものように、長さ5cm、さらに1/4に切る。
熱湯をかけてから急冷、よく水気を拭き取って用意。

酢味噌は八丁味噌と西京味噌を合わせたものに、
酢を加えたものを用意。


ねぎもよい具合に火が通った。
うるめ鰯は、軽く〆ても、やはりうまい。

満足、で、ある。




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