断腸亭料理日記2009
さて。
断腸亭の夏休み、モロッコへ行く、その2
まずは、カサブランカ。
カサブランカの空港は、当時と同じ場所かどうかはわからないが、
確か、映画カサブランカのラストシーンにも
出てきたような気がする。
昨日書いたように、カサブランカは
モロッコ最大の都市で、空港も大きい。
着いたのは、深夜、0時すぎ。
空港から、市街地までは、鉄道もあるようだが、こんな時間なら
終わっていようし、とったホテルが、海岸のリゾート
(と、いうほどリッチなものではないが)、アイン・ディアブという区域で、
市街地からも離れており、タクシーで向かう。
ホテルはクラブ・バル・ダンファ(Hotel Club Val d'Anfa)、
と、いうところ。ここは、内儀(かみ)さんが日本からネットでとった。
二人で一泊朝食付き10000円、と、格安。
一応、ホテル定価の半額、らしい。
ここには、着いた日を入れて、4泊。
さほど大きくはないが、ビーチ至近、プールもあり、
サービスもそこそこ、満足のいくものであった。
まず、朝飯。
これはモロッコのどこのホテルも同じなのか、よくわからぬが、
このカサブランカのクラブ・バル・ダンファも
マラケッシュで泊まったところも同様だった。
なにかというと、メニューはほぼ同じ。
いわゆるコンチネンタルブレックファストというのか、
基本的には、パンと玉子だけ。
(フランス系がそう、なのだろうか。
白状をすると、実際のところ、私は、今回もそうなのだが、
フランスはおろか、イタリア、ドイツ、イギリス、スペインを含め
欧州のホテルには泊まったこともなく、足を踏み入れたことすらない。
理由は、これまでヨーロッパにあまり興味がなかったからなのだが、
今から考えると、今回、どうせ、乗り換えるのだから、
パリで一泊でもしてくればよかった。)
まったく、ないわけではないが、
まず、、葉物の生野菜がない。
(どちらのホテルも、あるのは、きゅうりとトマトのスライスのみ。)
あるのは、数種のハムと数種のチーズ。
アメリカンブレックファストであれば、これにソーセージ数種、
ベーコンも欠かせないであろう。
それから、こちらでは、やっぱり、
オリーブの実は欠かせない。
フルーツはふんだんにあり、みなうまい。
オレンジ、グレープフルーツ、メロン、バナナ。
それから、デーツ。
デーツは写真の黒いものだが、ナツメヤシの実を干したもの。
ドバイでもたくさんあったが、アラブ地域で広く作られており、
砂漠での貴重な甘味の補給手段に、なっているという。
モロッコでも盛んに作られているそうな。
味は、ほぼ、日本の干し柿、と、思えばよい。
素朴な味。甘味は干し柿よりも強いかもしれない。
私はあまり食べなかったが、モロッコではドライフルーツも
豊富で、アンズ、イチジク、など。あるいは、ナッツ類。
かぼちゃの種、クルミ、アーモンド、などなど、街角でも
売られてもいるし、朝食にも出る。
そして、名物のミントティー。
後でもでてくるが、モロッコでお茶といえば、ミントティー。
ポットに紅茶の葉っぱと生のミントのどっさり入れて
出す。(グラスに直接入れる場合もある。)
さて。
このカサブランカの少し郊外にある、ビーチ、
アイン・ディアブ。
基本的には、地元の人々の遊びにくる場所のようである。
大西洋であるが、かなり波が高い。
ここは広いビーチで、朝から、若者達がサッカーに興じる。
(やはり、この国でもサッカーは、人気のよう。)
地元の人も、あまり泳いでいる人はいなかったが、
波打ち際までいってみたが、水はそうとうに冷たい。
緯度とすれば、随分南であるが、夏でも
こんなに冷たいのは、なぜであろうか。
海流の関係であろうか。
(ちなみに、カナリア海流という寒流のようである。)
(また、我々は、ダイビングをするのだが、
昨年のドバイ、ペルシャ湾では潜れないので、
外洋のオマーン湾へ出て、ダイビングをしてみた。
今回、調べてみたのだが、モロッコでも、ダイビングはできるようなのだが、
場所は、大西洋側のここではなく、地中海側のタンジェ付近のようで
今年はあきらめねばならなかった。
さて。
着いた夜が明けて、先の朝食を食い、ビーチをめぐり、昼。
タクシーでカサブランカの市街に出る。
例によって、メーターを入れない、言い値のタクシー運転手と
値段交渉の戦い。(わからないのをいいことに、
足元を見やがって、まったくふざけている。
これじゃあ、チップもヘッタクレもない。)
モロッコの古い街は、どこもメディナと呼ばれる高い城壁のある
中心街からできている。
これは、その昔、当地への侵入者であるアラブ人達は
先住民族などの外敵から自らを守る必要から、城壁を築いた、と、いう。
このメディナの中は、迷路のように不規則に路地が
張りめぐらされ、様々なものを売る、アラブの市場、
スークがあったり、また、住民の居住地にもなっている。
上の写真は、カサブランカの中心メディナのメインの入り口、
時計台のある国連広場と呼ばれているところ。
ちょうど、ハイアットがある。
昼飯は、この近くなのだが、メディナではなく
ちょっと、新市街寄りにある、モロッコ料理のレストラン。
例の「地球の歩き方」に載っていたところ。
モロッコというところは、あまり行く人も多くないのであろう、
ネットを含めても、日本語の情報がとても限られている。
この「歩き方」でさえ、掲載されているレストランも
数えるほど。
以前は「歩き方」はそこへ行った読者からの投稿というのが
売りで、どちらかといえば、学生のバックパック旅行向け。
我々の世代は、ちょうど学生の頃、そうした旅の一般化が始まり、
まさにターゲット世代であったのかと思われる。
かくいう私も、卒業を前にした大学4年の2月、一人、「歩き方」を持って、
グレイハウンドの長距離バスでアメリカ横断なんぞもやってみた。
それでやっぱり、今でも他のガイドブックよりも
信用できるような気がするのである。
そんなことで、「歩き方」お勧めの店から、というわけである。
メディナと反対側の新市街は役所などもある。
こちら側はメディナとはまったく趣が異なっている。
フランス領有時にできた街とのことで、
アールデコ調の重々しい白い建物が並び、一階は歩道の上へ
庇が張りだしている。そして、その歩道に向かって、
フランス風(?)のカフェなども多くあり、
ちょっとお洒落で、優雅である。
、、なのだが、これ、お昼頃なので、実は暑い、のである。
昨年のドバイの40度を超える、というほどではなく
湿気も少ないようなので日陰に入ると風もあり、
涼しいのだが、天気がよく、日なたに出ると
さすがにアフリカ、刺すような日差し。
レストランを探して街角を歩くと、汗が出てくる。
と、いったところで、今日はここまで。
つづきはまた明日。
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