断腸亭料理日記2008
9月19日(土)夜
並木藪から戻り、昼寝
7時前、外出していた内儀(かみ)さんが帰宅。
夜は、なにを食べようか、特に考えていなかったのだが、
内儀さんは、久しぶりに、キムチ横丁の京城苑へいきたいという。
この記事は一昨年のものだが、これ以降も、
私は、仕事関係の者などと、なん回かきてもいる。
内儀さんが一応、TELを入れ、あいているのを確認し、
自転車で出る。
キムチ横丁という名前はむろん通称なのであろう。
もとより、上野、御徒町界隈は、韓国朝鮮料理、焼肉の店は
今、ここに限らず多い。
その中で、日比谷線仲御徒町の駅、多慶屋のある、
昭和通りと春日通りの交叉点から、北東に入った一画に、
小さな韓国朝鮮料理店のかたまっているところがある。
なぜここにだけ、かたまっているのかわからぬが、
おそらく、戦後すぐ、焼け跡の頃にまではさかのぼる、のであろう。
元浅草、白鴎高校の前の通りを、清洲橋通りも渡り、
どんどんと西にいくと、この一画に出る。
京城苑は、その中でも小さく、新しくもなく、お世辞にも
きれいとはいえないが、そうとうに、うまい焼肉を食わせる。
だからといって、特別に安い、というわけではない。
高くもないが、値段は普通の焼肉屋のもの、で、ある。
小父さんと息子さんであろうか、二人でやっている。
お客さんはネイティブの方が多いのかもしれない。
一階の小上がりにテーブルが3つほど。
急な梯子段を上がると、二階にも座敷がある。
店の前に自転車をとめ、店に入ると、一階の
小上がりのテーブルを案内される。
ビールにキムチ、焼肉はタン塩、カルビ、ホルモン、
野菜焼き、サンチュといったところを頼む。
キムチに、ビール、ナムルなどもくる。
タン塩。
カルビ、野菜、サンチュ。
無煙ロースターでもなく、炭火、でもなく、
昔からある、ガスのコンロ。
ホルモン。
タン塩も柔らかくてうまいのだが、
ここはなんといっても、タレ味の焼肉、で、ある。
肉にかかってるタレも、つけだれも、
見た目は、どこの焼肉屋のものとも違いがないようなのだが、
食べてみると、そうとうに、奥が深い。
ちょっと、甘めで、にんにくが随分と入っているのであろう、
というのは、においでわかる。
が、この奥の深さは、それ以外にも、なにか秘伝のものが
入っているのかもしれぬ。
あとを引く、クセにある味、というのか、
あー、焼肉を食った、というような、
食べ応えがある味、というのか、
どうも、筆舌に尽くしがたいタレの味なのである。
ビールから、チューハイにしてもらう。
内儀(かみ)さんが飯が食いたいというので、
コムタンのクッパをもらう。
牛テールから出た白濁したスープもうまいし、
とろけるようなテールの骨についたゼラチン質を含んだ
肉もまた、うまい。
食い終わり、勘定をし、出る。
このところ、いささか、呑みすぎ、か。
とにもかくにも、うまかった。
再び、自転車に乗り、帰宅する。
住所 東京都台東区東上野2丁目15-7
電話 03-3831-0654
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