断腸亭料理日記2008
9月9日(火)夜
さて、今日は職場の宴会。
私が幹事ということになっていたのだが、
韓国料理がいいねぇ〜、というリクエストから、
会社のある市谷から、さほど遠くない、四谷の
伽耶苑(かやえん)というところにした。
オモニ(お母さん)の韓国家庭料理店として、チューボーですよ!を
はじめ、マスコミにもちらほらと登場し、まあ、そこそこ
名の知れたところと、いってよいのだろう。
(だからといって、敷居は高くはない。)
事前に、夜、相談に行った。
ビールをもらって、冷麺かなにかを食べながら、
TVに出てくる、太ったオモニと相談をした。
予算は、5000円くらいで、参鶏湯(サムゲタン)を
付けて、という希望。
じゃあ、呑み放題を付けて、参鶏湯を入れて、
最近、チューボーですよ!に出た、海鮮チヂミ、
焼き肉を一品、最近人気のサムギョプサル。
後はおまかせで、ということになった。
19時スタート。
市谷から、四谷までは、外濠通りを通って、歩き。
場所は、ほぼ四谷駅前。
甲州街道(新宿通り)の四谷見附交差点、手前。
しんみち通りの一本、市谷寄り(三栄通りという)を
西側に入る。
右側にすぐコージーコーナーがあるが、その地下。
狭い階段を、トントンと降りていく。
火曜日のこの時間なので、まだ店は混んではいない。
奥の座敷。
12人なので、四人掛けのテーブル3つ。
全員が座り、まずは、ビールで乾杯。
えごまの葉のサラダ。
こんにゃくや玉子の入った、和えもの。
韓国海苔、豆もやしのナムル、オイキムチなどがまず、出る。
そして、むろん、事前に用意をしてあったのであろう、
参鶏湯がすぐに出た。1テーブルに一つ。
私は、参鶏湯というのは初めて、で、ある。
丸鶏のスープだが、朝鮮人参やらが入り、
滋養のつくもの。
あちらでは、夏の体力減退時に食べるもの、であるそうな。
実は、今回、韓国料理で、さらに、参鶏湯をリクエストしたのは、
そういう意味が、あったのである。
夏の終わり、秋口の今、身体優しいもの、で、ある。
味。
まずは、やはり、このスープは、朝鮮人参がポイントなのであろう。
多少泥臭い。
私は、入っていた朝鮮人参そのものも、たまたま取ってしまったので、
食べたのであるが、これは、また輪をかけて、泥臭いというのか、
苦い。
まあ、薬であるから、そんなものなのであろう。
医食同源、薬食同源、などというが、文字通り、
そういうことなのであろう。
中国はもちろん、ご存じの通り、朝鮮半島にも、
この考え方は、古くからある。
だが、やはり、日本にはあまり本来はなかったもの
ではなかろうか。
日本にも、中国、朝鮮半島から、古代から生薬や漢方は
入ってきてはいたのだろうが、薬は薬、
食は食、と別れていたように思う。
日本では、良薬口に苦し、などともいう。
しかし、この白濁したスープは、やはり見るからに身体にはよさそう。
圧力鍋ででも、煮ているのか、鶏肉は骨まで柔らかくなっている。
パリパリと食べられるくらい、で、ある。
いかのトッポギ
細長い韓国の餅といかの煮もの。
口当たりは、甘いのであるが、見た目通り、かなり、辛い。
オモニ自慢の、海鮮チヂミ。
個人的には、このチヂミというものは、
野菜の入った、お好み焼きでしょ?、程度の理解で、
たいした興味は今までなかったのだが、これは、うまかった。
タレをかけるのだが、このタレがうまいのか、わからぬが、
なかなかのものであった。
サムギョプサル
これは、ジンギスカン鍋、で、あろう。
以前に、御徒町でサムギョプサルは
食べたことがあった。
豚のバラ肉の焼き肉なのであるが、
この時は専用の斜めになった鍋で、脂を落として、
カリカリにして、胡麻油と塩(胡椒)で食べた。
ここ伽耶苑のものは、あらかじめ下味が付いた肉。
鍋のてっぺんに、にんにくスライスがあり、
最後に、やはり、下味のついたねぎをのせ、
サンチュで巻いて、食べる。
サムギョプサルも色々な形があるようである。
これもうまい。
ここのオモニの手間を惜しまない、というのであろうか、
一手間、二手間、三手間、かかっている。
呑み放題であるから、私は、幹事でありながら、
ビールから、いつしか、韓国の眞露、チャミスルを
ストレートを呑み始め、よい気分。
また、向こうでは、素焼の大徳利入りのマッコリ。
なかなか、盛り上がり、お開き。
5000円で頼んでいたが、
実際には、呑み放題を入れて、一人、4500円であった。
見栄えのよい、小洒落たチェーンの居酒屋と比べれば、
そうとうに、実質本位、うまくて安かろう。
オモニの良心なのか。
よい店、で、ある。
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