断腸亭料理日記2008

鯵・たたき、煮びたし

5月31日(土)第二食

豚生姜焼きを食べて、寝足りない分、ひと眠り。

午後、起きて、御徒町に出る。

雨はやんでいるが、寒い。
セーターを着て、ウインドブレーカー。

例によって、魚や、回り。

吉池から、アメ横。

今日はアメ横。
小さいが、鯵が安い。

ひと山、どさっとあって、300円。
煮びたしにでもしようか。

再び、ぶらぶら歩いて、帰宅。

開けてみると、12匹ある。
なんと、一匹、25円。

さほど、ものは悪くはなさそうである。

一つ、おろしてみようか。

三枚におろす。
刺身で食うほどではないが、
たたき、で、あれば、十分にいけそうである。

四匹を下ろし、細かく切る。
ねぎもみじん切り。
和えて、皿に盛りつけ、一先ず、冷蔵庫に入れておく。

しょうがは内儀(かみ)さんに、おろさせる。

さて、煮びたし。

これも、池波レシピ、で、あった。

鬼平犯科帳。

用意をするのは、密偵のおまさ。
食べるのは、同じく密偵で、おまさと夫婦になった、
五郎蔵。

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おまさが、本所・相生町の家へ帰ったのは夕暮れになってからである。

大滝の五郎蔵は、夜になってから帰って来た。

今日も五郎蔵は、暑熱の日中を変装して江戸中を歩きまわり、

「怪しい奴・・・・・・」

に目をつけていたのであろう。

おまさは、五郎蔵が好物の紫蘇の葉をきざみこんだ瓜揉みと、白焼きにした

鯵を煮びたしにしたものを膳に乗せ、これも五郎蔵の好みで、冷酒を茶わんに

酌(く)んで出した。

(池波正太郎著・鬼平犯科帳10巻「むかしなじみ」文春文庫)

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私も、この文章から、作るようになった。

なかなかうまいものである。
塩焼きよりも、ひょっとすると、よいかもしれぬ。

夏には、実によい。

塩をせずに、白焼き。
鯵はまだまだあるので、五匹ほどいってみる。

ガスレンジで、焼く。

焼いていると、脂も出てくる。
この鯵は、小さいが脂もありそうである。

焼けたところで、大きな鍋に、鯵を移し、
水、酒、しょうゆで、煮る。

火は入っているので、ちょいと、味が染みればよいだろう。
アルミホイルの落としぶたをし、4〜5分。

このまま、しばらく置く。

さて。
たたき。


まあまあ。

やはり一匹、25円であれば、贅沢はいえぬ、
上出来であろう。


そして、煮びたし。

これは、文句はない。

十分に、うまい。

これからの季節、
安くてうまい、夏の鯵、で、ある。



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