断腸亭料理日記2008

西浅草・手打ちそば・おざわ

6月1日(日)第一食

今日は、しょぼしょぼ、雨が降っていた昨日に
引き比べて、よい天気。

第一食、なにを食べようか、いろいろ考えた。
天気がいいので、餃子など食いたいな、と思いながら、
下駄を履いて、浅草方面に出てみる。

新堀通りを渡って、菊屋橋の交叉点を
歩いているうちに、なんとなく、切り替わってしまった。

そばや、西浅草のおざわ、に、しようか。

道具街から合羽橋本通りよりも一本南を右に折れ、
まっすぐに。

おざわの通りは、国際通りに出る一本手前。

左に曲がって、左側。
マンションの1階。

暖簾を分けて入ると、昼時であるが、
珍しく、というべきか、すいている。

三社祭も終わって、なんはなしに、浅草も祭りの後、なのか。

大きなテーブルに一人で座る。

ここの床は、木製なので、下駄なんぞを履いていると、
うるさくていけない。

やっぱり、生のビールをもらう。

そばは、なんであろうか。

とろろ、で、軽くいこうか。
麺は、太打ち。

どうも、太打ちがあるところにくると、
なぜだか、必ず頼んでしまう。

生ビールを呑みながら、待つ。

きたきた。


これである。

この太さ。
うどんの、ひもかわ(きしめん)よりも、厚く幅ひろ。
私の知っている太打ちの中では、最も太いのでは
なかろうか。

たぐる、あるいは、すする、というよりは、
やはり、ほお張る、といった方がよかろう。

本当であれば、とろろの、からみやすさ、からすれば
普通の太さのそばの方が、よいのであろうが、
やはり、ここへきたら、このたしかな噛み応(ごた)えの
魅力には抗しがたい、のである。

うまい、うまい。

これもやはり、食べ終わるのが惜しくなる、が
むろんのこと、食べ終わり、勘定をして出る。

久しぶりに、で、あろうか、ぶらぶらと界隈を歩く。

夏の着物でも欲しいな、と思いつつ、
男着物専門の古着や、ちどりや、をのぞいたり、
新仲見世の呉服屋をのぞいたり。

最後は、予定をしていた、ひさご通りの、
いつもいっている、履物やで、下駄を買う。

下駄やにくるなら、下駄でくる。
スニーカーできてはいけないような、
なにか、そんな気がするのである。

今履いているきたのは、昨年買ったものであるが、
もうだいぶん、減ってきた。
やはり、下駄も、消耗品である。

今度は、幅広の普通のものに、鼻緒は
黒の普通のものであったが、藍の縞のものにしてもらう。

新しいのに履き替え、履いてきたのは包んでもらい、
再び、ぶらぶらと、帰る。




手打そば・おざわ
住所:東京都台東区西浅草2-25-15
電話:03-3841-6450



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