断腸亭料理日記2008

蛤のつゆと蛤飯

3月1日(土)第二食

さて、有楽町のジャポネで、大盛のナポリタンを食って、
再び、京橋から、銀座線に乗る。

帰りは、御徒町の魚やに寄ろう。

上野広小路で降りて、アメ横まで。

いつもの魚やを覗く。
今日はなにがあるかな?。

む、む。

蛤。
いつもの大きな発泡スチロールの白い皿に
たっぷりあって、毎度お馴染みの、¥500。
それも、三重産、と、あり、立派な国産。

これは安いであろう。

最近、スーパーで、蛤といえば、5〜6個で¥300程度、
それもほとんどが中国産。
これは間違いなく、買い、で、あろう。

これだけあれば、蛤飯と、蛤のつゆが、思うさま、
食べられよう。

また、蛤は、季節、で、ある。

買って、ここからは、歩いて、帰宅。

蛤のつゆも、蛤飯も、池波レシピ、で、ある。

うまいもので、ある。
ことに、つゆ、で、酒、日本酒を呑むのは、よい。
これだけあれば、湯豆腐にしなくとも、蛤だけでよいだろう。

帰宅し、ボールに塩水を作り、蛤を入れておく。
砂を吐かせる必要があるか、わからぬが、念のため入れておく。


ゆうに30個はある。

2時間ほど経過。

ジャポネでドカ食いをしてしまったので、食べるのは遅くてよいのだが、
半分を蛤飯用に、下拵えをする。

水から出し、洗い、鍋に水を張り、蛤を入れる。
煮立て、開くのを待つ。

全部開いたところで、火を止める。
貝をつゆから出し、すべて、貝殻からはずす。

これは、前にも書いているが、貝殻をクリップのようにして、
他の貝の身を取る。
(これ、文章で、伝わるであろうか。)
これは、アイデア、で、ある。
かなり、要領よくはずすことができる。

蛤の味付け用のつゆを作る。
別の鍋に、先ほどの、茹でたつゆをほんの少し取り、
ここに、酒としょうゆ、砂糖少々を入れて、一度煮立て、
砂糖の入った、ニキリを作る。

ここに、殻をはずした、蛤の身を入れ、このまま漬け込む。


米を研ぎ、先ほどの茹でたつゆ、酒、しょうゆを入れ、
水加減をしておく。

さらに2時間以上、十二分に浸水することが大事である。

8時過ぎ、お待ちかねの、たっぷりの蛤のつゆで、酒を呑む。

電気釜のスイッチも入れておく。

小鍋に水を張り、3〜4個入れ、先にガスレンジで煮立て、
貝が開くのを待つ。

開いたら、塩で軽く味付け。
今日は、他のものは一切なし。
蛤と塩のみ。これがよい。

同時に、鉄瓶を熱くし、酒の燗も付ける。

今日は、火鉢ではなく、カセットコンロ。
食卓に用意する。

酒、鍋を食卓に運び、始める。


本当に不思議である。
こんなにも、蛤のつゆと、燗酒が合うというのは。

酒を呑み、つゆ飲み、蛤を食う。

食べ終わる端から、蛤を入れる。煮立てて、貝を開ける。
呑んでは、飲み、そして、食う。

結局、10個以上ある蛤を全部つゆにして、
食べてしまった。

さて、蛤飯。
これも炊き上がった。

しょうゆのつゆに漬けておいた蛤も出し、
炊き上がった飯に混ぜ、もみ海苔も忘れてはいけない。


ちょっと味が濃かったかも知れぬ。
どうしても筆者のいつもの濃い味好みで、入れすぎてしまった。
蛤らしいつゆの味がわかるくらいの、薄味でもよかったかも知れぬ。
が、うまいことは、十二分にうまい。

30個ほどの蛤、まさに、堪能、で、ある。


さて、一つ、おまけ。


翌朝の朝飯。
蛤飯を温めなおし、ねぎだけの、濃い目の根深汁。
味噌は、八丁味噌と、信州味噌の合わせ。
出汁は鰹で、濃い目。
奥に見えるのは、白滝と鶏挽肉の煮たの。
この白滝は、例の、雷門の肉や、松喜のもの。
先日、ステーキ肉を買ったついでに、
これも買っておいたのであった。
これもうまい。




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