断腸亭料理日記2008

黄金チャーハン?

3月29日(土)第一食

さて、土曜日。

昨晩早く寝てしまったので、早く起きる。

なにを食べようか。
冷蔵庫に、冷や飯が残っているので、
チャーハンでも作ろうか。

チャーハンといえば、黄金チャーハン。

黄金チャーハンとは、玉子で米粒を包み、
米粒全体が、黄金に見えるようなチャーハン。

これは、作り方が違う。

以前、チャーハンの作り方といえば、
玉子は、最初に炒め、完全に玉子に火が通った後に、
ご飯を入れる、というものであったと思う。
筆者は少なくとも、そうしていた。
そうでなくては、ベチャベチャになる、などとも
いわれていたようにも思う。

黄金チャーハンの場合は、これが逆、ご飯が先で、
後から玉子。もしくは、完全に玉子に火を通さない状態、
玉子とほぼ同時に、ご飯を入れる。
こうすることにより、ご飯の粒を玉子で包む、という。

これが難しい。
未(いま)だ成功したことがない。

2007年8月

そもそも、チャーハンの理想形は、
パラパラのご飯、とされているが、
これも、実のところ、筆者には簡単ではない。
タイ米など使えば、まあ、さほど難しくはない。
しかし、日本の米の場合、冷蔵庫で数日経って、
パラパラになっていても、黄金チャーハンでなく、
普通の炒め方でさえも、炒めている内に、
粘りが出てしまう、ということも多い。

また、関連するが、例の中華鍋を煽(あお)って、
パラパラの米粒を舞上げる、というのか、
プロがやっている、アレ、が、粘りが出てしまうくらいであるから、
白状をすると、できていない、のである。

その上、筆者の場合、鍋に、くっつてしまう、というような
もともとの弱点も、持っていたりする。
フライパンでも、中華鍋でもどうしても、鉄製のものは、
くっつく、というのが、いつもの大問題である。

と、いうようなわけで、今日は一つ、
気合いを入れて、やってみよう。

まずは、玉子、二個分を溶く。

ねぎを切っておく。

そして、冷蔵庫から冷や飯を取り出し、
事前によくほぐしておく。

これは大事かもしれない。
プロは、中華鍋上で、火を付けたまま
ヘラでほぐしたりしているが、筆者などは
こんな芸当はとてもじゃないが、できない。
いつもは、火を一度止めて、ゆっくりほぐしていた。
中華の場合、この、一度火を止めて、が、
いけないのかも知れぬ。

中華鍋を用意。

一度、煙が出るまで、熱する。

そして、一度油を多めに、入れ、全体によく回し、
あける。
再度、油を入れるのだが、
くっつく、という心配もあるので、
いつもより少し多め、いや、多すぎるかな、
と思える程度入れてみる。

さて、ここから、一つ、今日は強火で一気にやってみよう。

一つ、断っておくが、中華の場合、
よく家庭のガスの火力のことをいわれる。
拙亭のガスコンロは、大きな五徳というのか、
火が二重になっている強い火力の五徳がある。
むろん中華のプロの、あの、焚き火の上で、炒めているような
火力には及ぶべくもないのだが、多少は強い火ではある。

火を全開にする。

ここに、まずは、ご飯を投入。
お玉の背で、もう一度、ほぐす。

そして、すぐに、玉子二個分を投入。

見た目にはここで、ベチャッとした状態になる。

少し、心配になり、追加で油を加える。

火は強火のまま。
ここががんばりどころ。
中の生卵が絡んだ、ご飯は、団子状。
お玉を使いつつ、鍋を振って、転がすように、煽る。

煽る。

、、煽る。

お、お、おお。

段々に玉子に熱が入り、ほぐれてきた。

気持ち、鍋肌に玉子がくっついているところもある。
その部分に、ちょっと、油をふりかけ、さらに、煽る。

煽る。

なおも、煽る。

おお。
米が、舞い上がるようになってきた。

やればできるではないか。

理論はよくわからぬが、強火で、火を止めず、
手もほとんど止めない。
やはり、これ、だったのか。

仕上げの、ねぎ。

塩胡椒。

鍋肌から、しょうゆ。

最後の、煽り。

できた。


写真ではわかりにくいかもしれない。
しかし、パラ、パラ、と、まではいかないが、
かなり、よい具合である。

今日のものは、日本の米であるし、
炊いたときには水分は多めのご飯であった。
今までの感覚では、とても、こううまくいくとは、
自分でも思いもかけないものであった。

やればできる。
気合と根性!?、、ではなく、
強火で火を止めず、手も止めない、
言われている通りの結論であるが、
やはり、これしかなかった、か。

少し、会得した、でのあろうか、、。



断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月



BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2008