断腸亭料理日記2008
1月19日(土)第二食
箱根でごろごろ遊んだでいた、報いであろう。
今週は、風邪を引いてしまった。
たいしたことはなかったのだが、熱が出て、一日休み。
やっとよくなってきたところである。
寒い日が続いている、皆様も、ご自愛を下されたい。
さて、そんなわけで、土曜日。
こう寒くなると、温かい、うどん。
少し前から、久しぶりに、田端の路麺の名店、かしやま、へ、
いってみようと思っていた。
路麺とは、立ち喰いそばや、の、こと。
それも、チェーン店ではなく、個人営業。
東京の街角で、ひっそりと、
しかし、うまいそばやうどんを、愛情を込めて、
それも、安く、提供してくれる店。
道路に面している、麺や、ということで路麺と呼んでいる。
と、まあ、このところ、行っていなかったので、
おさらい、のような、説明を書いてみた。
個人営業の立ち喰いそばや、で、あれば、すべて、うまいのか
と、いわれれば、必ずしも、そんなことはない、のであるが、
個性は、どこもある。
中でも、田端のかしやまは、個性もあるし、
うまい。
特に、うどん。
ここは、うどんもそばも、自家製麺。
安く、お手軽に、うまいうどんが喰いたければ、
ここにくるべきである。
12時半頃、元浅草の拙亭を、出る。
寒いので、今日は、車。
いや、本当に、このところ、寒い。
こんなことを言っていると、昼間の最高気温が、氷点下の
旭川にお住まいの方には、大笑いをされるであろうが、
それでも、東京で、日中、5〜6℃だと、
べら棒に寒く感じてしまう。
元浅草の拙亭から田端まで。
清洲橋通りを北上し、昭和通り、に出て、右折。
言問い通りに入り、鶯谷駅を左に見て、側道をいき、右折。尾竹橋通り。
そして、根岸小学校、豆腐の笹乃雪のT字路を左折。
これが、尾久橋通り。
日暮里駅前、西日暮里駅前を通り、もうじき開業、舎人ライナーが
上を、高架で走る。
西日暮里駅前を過ぎると、右斜めに折れ、
貨物線をくぐり、一つ目の信号を左折。
この通りは、冠新道。
東北本線のガードをくぐり、道はすぐに、くの字に、右に曲がり、
真っ直ぐ。
スーパーマルエツのある交差点。
直進すると、田端駅前に上がる、高架、新田端大橋だが、
上がらずに、右の、側道のような、通りに入る。
かしやまは、この、田端大橋の東詰め、交番の裏、に、ある。
交番前、で、もあり、コインパーキングにとめる。
さすがに、12時台、6〜7人も立つと一杯になる狭い店内が、満員。
入り口付近で、しばらく待つ。
戸は、寒いが、開け放たれている。
しかし、中は寒いかと思うと、暖房は入っている。
入り口を入ってすぐ右にある券売機。
うどん、なのだが、なににしようか。
天ぷらうどん。
ノーマルなかき揚げにしよう。
券を買い、ちょうどあいた、一番奥のカウンターに立つ。
若主人が、うどんやそばを茹でている、釜の前。
今日の、カウンターの中は、若主人と、その左隣で天ぷらを揚げている、
ご主人、それから、腰の曲がった、お婆ちゃん(お母さん?)。
皆、腰が低い。
お婆ちゃんが、グラスの水を出してくれる。
熱い天ぷらうどんがすぐに出てくる。
うどんが、とにかくうまい。
しこしこの、腰、で、ある。
とにかく、これだけ、きちんとしたうどんを出す路麺は、
東京広しといえども、ないどろう。
そして、天ぷら。
ふわっと、柔らかめに揚げられている。
つゆに入り、早めに、溶け出してくる。
これがうまい。
この普通のかき揚げには、ねぎやらに、いか下足なども入っている。
寒ーい冬に、熱い、からめのつゆ、しこしこの、うどん。
温かさが、身体に染み込むようで、うまい。
今日は、つゆも全部飲み干してしまう。
まったくもって、ありがたい、一杯、で、ある。
路麺でもこうして、親子でやっているところは、
なかなか東京でも少ない。
店内には、若主人の名前の調理師免許が額に入れて、飾られている。
若主人は、学校にいき、修行をし、家業を継ぎ、
きっと、独自の工夫もされているのだろう。
喰い終わり、3人の声に送られて出る。
うまく、安いだけではない。
とても、気持ちのよい、田端の路麺、かしやま、で、ある。
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