断腸亭料理日記2008

いなだ

12月21日(日)夜

着物を着て、池の端藪で、そばを食って、アメ横に戻る。

いつもの魚やまでくると、、
なぁ〜んとなく、ピンとくるものがない。

うーむ、なんであろうか。
河岸が休みか、暮れも近く、そろそろ正月前の品揃え
準備のためか。

いなだがある。
50cm程度か。二本で、600円。
刺身、と、書いてある。

少し前から、このくらいの値段で出ていたと思われる。

いなだというのは、ご存じの通り、ぶりの子供。
わかし、いなだ、わらさ、ぶり。
関西では、つばす、はまち、めじろ、ぶり、だ、そうな。

東京周辺では、あまりぶりは獲れないのか。
ぶりといえば、富山湾など、日本海が本場。
寒ぶり、で、あろう。

ともあれ、いなだは、比較的安く東京でも
ちらほらと、出回る。
このいなだは、脂はぶりほどではない。

刺身で食えれば、まあ、よいか、買ってみよう。

ブラブラと、下げて帰る。

こんな感じ。


まずは一本、さばく。

頭を落とし、尾を左、腹を手前に置き、
腹に包丁を入れ、はらわたを出し、水道を流しながら、
きれいに洗う。

尾を左、今度は背を手前に置いて、上側、頭から
骨に沿って尾まで、包丁を入れる。
今度は、尾を右、腹を手前にし尾びれから包丁を入れ、
腹側の身をはずす。

反対の面は、尾から包丁を入れ、中骨からはずし、
ハラスの骨も取り、三枚。

鯵など、小型の魚をおろすのと手順は基本的には変わらない。

半身、皮を引く。
尾側から包丁を入れ、右手で尾側から引っ張りながら、皮を引く。
いなだの皮は、比較的、厚いのでさほど難しくない、、が、、、
うわッ、、切れてしまった。

途中で切れてしまうと、リカバーがたいへん。
途中から再度包丁を入れ直し、なんとか終了。

皮を引けた半身。
さらに縦に半分に、柵にする。

ここで、刺身包丁に換え、刺身に切る。
皿に盛り付け。


ビールを抜いて、食べる。
やっぱり、脂は少ない。

身の味そのものは、ぶりと、そう大きくかわるのものでないが、
やはり、若い分、柔らかくさっぱりしており、
いなだは、いなだで、また、うまい。

バクバクと食えてしまう。

内儀(かみ)さんとともに半身と半分、
食べてしまう。

さて、まだ、一本と少し残っている。
あとはどうやって食べようか。

一先ず、二枚におろしておく。

ぶりであれば、照り焼き、煮付けというのもある。

フライパンで簡単に、照り焼きというのか、
照り煮、というのかを、やってみた。
油を敷いて、軽く焼き、ここに別鍋で作った、
しょうゆ、酒、砂糖のタレを加えて、からめる。

パサパサにならなにように、
火は通しすぎないようにしてみた。

まあ、これも食える。

それから、さらに、塩焼き。
ぶりで塩焼き、というのはあまりやらないが、
この程度の脂で、あれば、よいだろう。

これは翌日。


照り煮、よりは、塩焼きの方が、やはり、よい。
脂も多少はあるので、パサパサにもならず、
なかなかうまかった。

しかし、、。

鯵や、鰯、秋刀魚、鯖など、光もののであれば、
酢〆で、鮨や、酢の物、ぬた、などもあるが、
いなだ、はあまりやらなかろう。

あとで調べたら、昆布〆というのもあるようだ。
今度、やってみようか。






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