断腸亭料理日記2008

手打ちうどん

4月12日(土)第一食

さて、土曜日。

実を言うと、昨日、風邪を引いて休んでしまった。
いや、もう少し正確に、白状をすると、
1/3は二日酔い、で、あった。

木曜の夜、会社の人間と大酒を呑み、朝起きると、
気持ちが悪い。吐き気。

熱もある。
この一週間は、鼻水がひどく、鼻炎かとも思っていた。
実際は風邪であったのだが、薬を飲んでなんとか、もたせていたのだった。
それが大酒の二日酔いで、すっかりダウン、ということ。

金曜は、疲れもあったのであろう。
昼間もぐっすり寝ていた。

そのお陰もあって、今朝は起きると、病み上がり特有の
多少のボンヤリ、は、あるが、かなりすっきり。

なにか、食べよう。

昨日は、熱もあるので、温かいうどんを食べようと、
干麺を茹で、ただし、出汁だけは、讃岐うどんを
目指して、作ってみた。


讃岐うどんの出汁は、水に、昆布、煮干しを入れ
煮立つ直前に昆布は引き上げ、しばらく煮出し、
最後に、鰹節を入れ、さらに煮出す。

味付けは、薄口しょうゆなのだが、ないので、
濃口を少しと塩。

干麺はまあ、仕方ないが、出汁は
そこそこうまいものができた。

よし一つ、今日は、うどんを打ってみようか。
讃岐うどんを目指した、手打ちうどん。

粉は、中力粉、などともいうが、強力粉しかないので、
これを使う。

うどんは、粉と水の割合がかなり大切である。
むろん多すぎても、少なすぎてもいけない。
普段、私の場合、すべての料理が、目分量であるが、
これは、量ることにする。

粉1kgに、水450cc。
水は、10%の塩水。

1kgを打つのはさすがに、多いであろう。
200gもあれば十分。
従って、塩水は100cc弱。

これをボールに合わせ、ダマにしていく。
いろいろ、いう人もいるが、これはどうやっても
別にかまわないのでは、なかろうか。
最終的に、全部をまとめて、大きな玉にすればよい。

ある程度まとまったらビニールの袋(レジ袋)に入れて、
足で、踏む。

平らになったら、折って、また踏む。
TVを見ながら、30分くらい。

このくらいやればよいだろう。
(たいした根拠は、ない。踏んでいるのに、飽きた。)

これをもう一度、玉にし、ビニールに入れたまま、
夏場であれば、1時間、冬であれば2〜3時間休ませる。

今日は、早く食べたいので、パソコンのそばに置いて、
1時間。

1時間後、ビニール袋から出してみる。
しっとり落ち着いている感じ。
なかなか、よさそうである。

ここから、伸ばす。
本当であれば、長い麺打ち用の麺棒で延ばす、のであるが、
200gぐらいであれば、そんなものはなくてもよい。
拙亭にある、中華用の麺棒。
20cm程度でもう少し細い。
これで伸ばす。

伸ばすとはいっても、太麺を目指したいので、
厚さ、2mm程度でよいだろう。
形は、長方形に伸ばすのが、無駄がなく、
よいのかもしれないが、普通は、丸く伸ばす。

伸ばせたら、折って、切る。
蛇腹(じゃばら)といってお分かりになるだろうか。
文字で説明するのは、至難である。
手前に折って、向こう側からまた折って、、、
伝わらないだろうな、、、。

ともあれ、折って、切る。
幅も、きちんとそろわなくとも、大丈夫であろう。
太い、細いあっても、うどんである、
逆にその方が、うまそう、かもしれない。

そばであれば、こうはいかない。
なぜであろうか。
細いにしても、太いにしても、そばの場合は、
揃っていた方がうまい。

鍋に湯を沸かし、茹でる。

随分太めなので、時間の目安がわからない。
なん回か、取ってみて、噛んで、加減をみる。
表面付近が、透明になって、中心部にまで水分が
入っている状態、で、あろう。
やはり太いと、時間がかかる。

よいかな。

あげて、水でよく洗う。
やはり、ぬめりはよく取った方が、よいだろう。

ざるに盛って、生じょうゆ。


なかなか、見た目にはよさそうである。

食べてみる。
コシもなかなかあり、素人のものにしては、
なかなか、わるくない。

昨日とった、出汁に入れてみる。


これも、讃岐うどん、とまではいわないが、
そこそこ、それらしいものには、なっている。

実のところ、大学時代、そば屋でバイトをしていたことがあり、
うどんどころか、そばも、ラーメンも打っていたのである。

しかし、まあ、私の場合、やはり、東京の人間であり、
うどん打ちを極めてやろう、というほどの、
意気込みがあるわけではない。

うどんよりも、そばであるし、そばであれば、
自分で打とうとは思わない。
商売人にまかせて、くつろいで、店の雰囲気と共に
食べたい、というものである。

まあ、まあ、そんないいわけもありながら、
うどんであれば、そこそこのものが、自分で打てることが
確認できた、ということで、今日は満足、で、ある。




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