断腸亭料理日記2007
9月26日(水)夜
昨日は連休明け、いきなり関西出張で、
帰宅も遅かった。
付き合い酒で呑んではいるが、
たいしてうまいものは食っていない。
いや、実際の食べたもがうまかったかどうかではなく
付き合いや、仕事での会食、というもの自体が、
筆者にとっては、「うまくない」、のである。
身にも骨にもならない食事、
というと、近いのかもしれない。
自分の選択でない食事は、たとえ高価で、一般には
うまい、といえるものでも、やはり、満足度は低い。
自分で選べば、なんばの地下街で食う、立ち呑みの串かつは、
大満足、なのである。
ともあれ、自分の選択で、うまいものが、食いたかった。
うまいもの、と、なると、うなぎ、で、ある。
そして、仕事帰り、食えるうなぎや、と、いえば、
神楽坂下の志満金、で、ある。
疲れたので、タクシーに乗ってしまう。
神楽坂下まで。
坂下で降りて、神楽坂に曲がって、左側数軒目。
入ると、一階のテーブル席があいていた。
四人掛けのテーブルに一人で座る。
まずは、ビール。
ここは本当に、接客がよい。
慇懃無礼でもなく、どことなく品がよい。
つまみは、、なにがよかろう。
ここでは、肝を煮たの、をよく頼むが、、、。
お!
松茸の土瓶蒸し、がある。
秋、で、ある。
ここは、料亭というのか、会席のメニューもある。
1800円。
ちょっと贅沢だが、いってみようか。
なにか、なかば、ヤケ。
それに、うな重。
ちょっと、時間がかかりますが、、
いいですよ、と、いうことで、頼む。
いつもは、うな重と一緒に運んできたと思うが、
気を利かせてなのか、お新香を先に持ってきてくれた。
お新香をつまんで、ビールを呑む。
と、さほど待たずに、土瓶蒸しがきた。
筆者にとって松茸は、天然鮎と、同じような位置付けにある。
と、いうのもわかりずらいいい方かも知れぬが、
東京に住んでいれば、そうそう食べれられるものではない、
と、いうことで、ある。
もともと、東日本では、あまり採れない、と、思われるし、
むろん高価で、そんなものが食卓に上るような
家で育ったわけではないからである。
従って、過去を振り返っても、数年に一回食べたかどうか、
味もよく憶えていないくらいである。
まずはふたをとって、スダチを絞る。
汁をお猪口に注ぎ、飲んでみる。
うまい。
池波先生ではないが、汁でも十分に酒は呑める。
松茸も食べてみる。
細く切られているので、今一つよく味がわからないが
やはり、よい香り、と、心地よい食感は、わかる。
こういうものは、ただ、焼いただけで、手で裂いて、バクバク食う、
なんという食べ方が、最もよいのであろう。
学生の頃、広島出身の先輩が、郷里から送ってきたと
そういう食べ方を一度だけしたことがあったが、
あれは、うまかった。
さて、うな重。
毎度であるが、ここのうな重は、飯にしても、うなぎの味
たれの味にしても、バランスが取れていて、
ちょうどよく、うまい。
食べ終わると、お茶が出て、
さらに、家紋入りの落雁とともに、抹茶が出る。
筆者など、がさつ者には、抹茶の味などよくわからぬが、
これが、なんとも、贅沢な感じがするのである。
さてさて、うまかった。
神楽坂志満金。
なんとなしに、癒される時間である。
新宿区神楽坂2丁目1
03-3269-3151
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