断腸亭料理日記2007
10月2日(火)夜
8時過ぎ、仕事を終えて、オフィスを出る。
だいぶ涼しくなった。
さわやか、で、ある。
牛込の路地を駅に向かって歩きながら、
今日はなにを食べようかと、例によって考える。
なにか、秋らしいもの。
魚、であろうか。
駅の隣のスーパーをのぞいてみる。
刺身用の秋刀魚が頭を落として、腹を出し、半額(一匹100円)。
(いつもいくアメ横の魚屋よりはむろんこれでも高い。)
これと、鰹のサクも半額、300円。
宮城産としてある。もどり鰹といってよかろう。
秋刀魚は、蒲焼などどうだろうか。
鰹は、和辛子で食おう。
野菜売り場。
たいしたものがない。
秋の野菜といえば、なんであろうか。
茄子?
栗やきのこもあるが、なんとなくピンとこない。
切干大根でも煮ようか。
帰宅。
さて、まずは、切干大根。
袋から全部出し、ボールに入れ水を張り、さっともみ洗い。
袋に書いてあるが、あまり長く水に浸して戻さない方が
よい、と、書いてある。
確かに、袋から出して、水につけた瞬間に
生の大根に近いような、みずみずしい香りがする。
と、いうことで、すぐに鍋に移す。
一緒に煮るのは、冷蔵庫にあった、竹輪。
小さく切って、ともに鍋に入れる。
水をヒタヒタより少なめに入れ、点火。
煮立ってきたら、酒、しょうゆ、砂糖。
赤唐辛子を少し。
(と、いっても辛味は感じられる程度。)
味は少し濃い目。
弱火にし、アルミホイルで落し蓋をし、
このまま煮ふくめる。
さて、秋刀魚。
こちらは、頭は落とし、腹は出してあるので、
出刃包丁で、骨からはずし、三枚にする。
皮は引かない。
この秋刀魚は、脂がありそうである。
半身をさらに半分に切る。
テフロンのフライパンに軽く油を敷き、皮目から
並べていく。
火は強火。
くっつくので、ゆすりながら。
以前に教えられた通り、表面の周りが色が変わり始めたら、
ひっくり返す。
1分程度焼き、一度火を止め、酒、しょうゆ、砂糖少々を入れる。
再点火し、強火で、秋刀魚にからめながら、煮詰める。
よい色がついてきた。
OK、終了。
鰹は切るだけ。和辛子を出す。
切干大根は、味見をし、微調整。
仕上げに胡麻油を少したらす。
盛り付け。
ビールよりも、酒、で、あろう。
冷で、菊正宗。
やはり、もどり鰹。
特に、これは腹側の身で、脂がのっている。
うまい。
和辛子で食べる、というのは、
一般的なのであろうか。
わからぬが、池波流、で、ある。
初夏の初鰹はしょうが、で、あるが、脂がのった
もどり鰹は、和辛子がベスト。
さすがに池波先生、で、ある。
秋刀魚蒲焼。
これも、脂がすごい。
鰹と合わせて、まさに秋の味、で、ある。
切干大根も、なかなかうまく煮えた。
先の、香りは、やはり煮てしまうと、だいぶ飛ぶ。
この香りを楽しむのであれば、もどしてそのまま
和え物というのか、漬物にしてしまうのが
よいのだろう。
ともあれ、もどり鰹と秋刀魚。
秋の味覚、で、ある。
(次は、落ち鱸(すずき)、か?)
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