断腸亭料理日記2007
11月3日(土)夜
さて、夜。
内儀(かみ)さんの要望で、うなぎ。
ご近所のやしま、で、ある。
実は、このところ、ご主人が怪我をされたとかで、長らくお休みであったが、
数日前、やっているのを内儀さんが見かけていた、と、いうのであった。
18時過ぎ、二人で出かけてみると、お休み、、。
さて、どうしたものか、、、。
雷門へいってみようか。
タクシーを拾って、雷門。
色川、、、、、
ありゃ、、こっちも休み。
と、すると、色川の反対側、初小川。
やってる。
いつも予約なしでは、入れない、ことが多いのだが、、
おそるおそる、覗いてみる、、、。
二人なんですが?
、、、、よかった、入れる。
初小川は、実のところ、久しぶり。
先に行った、ごく、ご近所の、やしまのご主人が修行したのが
この初小川。
ごく近所のため、ほぼ、同じ味の初小川までいかなくてもよい。
それで、初小川には、少なくともこの日記を再開した
2003年以降は、来ていなかったのである。
初小川の創業は、1907(明治40)年、と、いう。
今のご主人で何代目なのであろうか。
三代目、あるいは、四代目くらいであろうか。
店は広くはない。
奥の座敷へ案内される。
店の中は、千社札などが貼られていたりし、
乙なもの、で、ある。
ビールをもらう。
骨を揚げたものがお通しに出た。
(以前は、やしま同様、味噌豆がお通しででたような
記憶もある。今は、味噌豆はメニューとしてある。)
注文は、白焼きと、うな重、ともに小。それから、肝吸い。
ビールをゆっくり、呑み、待つ。
お新香が来て、白焼き。
わさびじょうゆ、で。
やはり、あまく、うまい。
毎度書いているような気がするが、
うまい、うなぎ白焼きを食べられる幸せ、というものを
かみしめる。
うなぎの蒲焼は、様々な江戸人、東京人のお客と、うなぎ職人達が
作り出した料理で、どこへ出しても恥ずかしくない、
東京名物であると、東京が故郷である筆者は、思う。
そして、白焼きはそれよりももっと、東京らしい、
食い物ではあるといえよう。
なぜならば、東京の白焼きが最もうまいだろうし、
それを知ってて、食べるのも、東京人、
中でもうなぎ好きの東京人、が最も多いだろうから。
(あたりまえの話ではある。)
肝吸い。
お椀ではなく、どんぶり。
たっぷり飲めるように、と、いうことであろうか。
うな重。
小だと、この大きさ。
しかし、まぎれもなく、味は初小川のもの。
東京の、特に、下町の蒲焼の味は、濃い。
尾花も、神田川も、野田岩も(筆者はこの三軒は、いろいろな意味で
東京のベストスリーであると思っている。)
やはり基本的には、しょうゆの甘辛は、濃い。
最も濃いのは、神田川であろうか。
しかし、それらの中で、浅草にありながら、ともいうべきか、
初小川のものは、さっぱり、きりっとした、蒲焼、なのである。
甘みを抑えている、ということであろうか。
しかし、濃い味に慣れている、東京人の舌も
満足させる、濃さ、の、ようなものは、十二分にある。
これも、浅草らしい、粋な、蒲焼というのであろうか。
そんな感じなのかもしれない。
(むろん、前記、ご近所、やしま、のものも同様である。)
うまかった。
久しぶりの、初小川、大満足、で、ある。
勘定をして、出る。
帰りは内儀さんと、ぶらぶら歩いて、帰宅。
初小川
03-3844-2723
111-0034 東京都台東区雷門2丁目8−4
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