断腸亭料理日記2007
3月13日(火)夜
さて、今日は、会社帰り、御徒町吉池に寄る。
鯛を食べようと、思ったのである。
御徒町の吉池に寄るのは、一本まるごと買うため、で、ある。
先週の「チューボーですよ!」、で、鯛茶漬け
をやっていた、ところからきているのだが、
この鯛茶漬けを作ろう、というのではない。
この「チューボーですよ!」の鯛茶漬けは、すり胡麻などを入れるもので
筆者は食べたことはない。
すり胡麻を入れる、と、いうのは、いずれ、料亭料理ではあろうが、
一般的なのであろうか。
いや、そもそも、鯛茶漬けなるもの、
今まで、さほどに縁のあったものでもない。
(まあ、“育ち”の問題であろう。
鯛茶漬けといえば、竹葉亭、を思い出すが、
今度ちゃんと食べてみようか。)
しかし、鯛はこれからが旬、と、いう。
ちょっと、食べてみたくなった。
さほど大きいものではないが、天然物(愛媛)一本¥1000。
けっこうなものである。
以前に、少し小さいもので、養殖もの。
これは¥350と、書いている。
随分に値段が違うものである。
もっとも、魚屋の兄(あん)ちゃんの話によれば、
今、天然鯛は相場としては、安くないらしい。
¥1000のものを購入。
そして、もう一つ、目に付いたのが、うなぎの生の肝。
うなぎやで、肝吸い、や、肝焼き、にする、
あのうなぎの肝で、ある。
これが袋に入って、量も随分ありそうだが、¥300。
珍しいので、これも買ってみる。
これを機会に、魚の鱗(うろこ)取り、を同じく吉池の上で購入。
(セラミック製のもの。)
帰宅。
さて、俎板に載せると、こんな感じである。
シンクな中で、鱗が飛び散らぬように、
水をちょろちょろ垂らしながら、鱗取りで、丁寧に取る。
今までは、出刃包丁でやっていたが、やはり、効率がよい。
頭の鱗も、つゆにするので、よく取る。
さて、三枚におろす。
まずは、頭を落とし、腹を割く。
腹をきれいに洗う。
頭も半分に開き、これもきれいに洗っておく。
身も、骨からはずす。
いつも、鯵や鯖をおろしており、慣れてはいるが、
高い魚をおろすのは、緊張する。
まあ、鯵や鯖よりも大きさが、大きい、というのもある。
やはり腹側の骨をきれいに削ぎ取る、のが難しい。
ともあれ、なんとか、三枚におろす。
背側と、腹側とに半分に切り、サク、のようにし、
一度冷蔵庫に入れておく。
鯛の刺身は、皮を引く、のもあるが、
筆者にはできない。
鯵や鯖であれば、手で剥けるが、鯛はそうはいかない。
鯛では、以前になん度か、包丁で試みたが、身と皮が、
めちゃくちゃになっている。
素人の場合、霜降りが無難、で、あろう。
やかんに湯を沸かし、ボールに氷水も用意。
冷蔵庫から取り出し、サクを、一枚ざるの上に皮目を上にし、置く。
沸騰した湯を皮にそっと、かけていく。
サッと、色が変わり、縮む。
すぐに、氷水に入れる。
都合四枚、皮目の霜降り完了。
切り、皿に並べる。
見た目は、もう一つ、、かな、、。
ラップをし、冷蔵庫に入れておく。
鯛の、頭と骨。
これは、つゆ、で、ある。
同じく熱湯で、両面霜降り。
血合いなど、きれいに、そっと氷水のなかで、洗う。
鍋に水。洗ったアラを入れ、点火。
煮立つ直前で弱火にし、しばらく煮出し、火を止めておく。
さて、うなぎの肝、で、ある。
袋から出して、洗ってみると、やはり結構な量がある。
肝焼きを作ろうと思えば、なん十本もできてしまいそうである。
どうしたものか。
そうだ!。
肝吸い!。
ものは違うが、さっきの鯛のつゆ、に、この肝を入れてみるか。
少し取り、湯をかけて、洗っておく。
一つ二つ、肝吸いにしたところで、大量にあることは変わらない。
ひとまず、焼いてみるか。
レンジのグリル機能で焼いてみよう。
金網に5〜6本のせ、そのまま10分ほど。
タレがいるだろう。
酒、濃口しょうゆ、たまりしょうゆ、酒、水あめ、砂糖。
そんなところで、煮詰めておく。
(焼き鳥のたれなどもそうだが、あの、トロトロのタレには
なかなかならない。脂が入っているのもあろうか。)
10分焼いた肝を、レンジから取り出し、
タレをぐぐらせ、再度、網に並べ、焼く。
今度は5分ほど。
出して、もう一度、タレをくぐらせ、皿に盛る。
こんな感じである。
残った肝は、このタレの中に入れ、酒を足し、
アルミホイルの落し蓋をし、煮ておく。
肝煮、と、いうことになろうか。
さて、鯛の刺身も出し、ビールを抜いて、食べる。
鯛刺身。
まあまあ、で、あろう。
脂の、のりは、もう一つで、あろうか。
もう少しきれいに切れていれば、と、思ったりもする。
肝焼き。
これは、粉山椒なんぞを振ると、けっこう、
肝焼き、らしい味になっている。
成功である。
適当に食って、鯛つゆに、うなぎの肝。
そして、さらに、このつゆで、刺身も入れ、胡麻は、なしの、
鯛茶漬け。
普通、うなぎやの肝吸いの出汁は、鰹であろうか。
それであれば、鯛の出汁でも悪くはなさそうであるが、
やはり、なんとなく、違和感は、ある。
肝焼きもよかったが、今日、一番うまかったのは、やはり、
最後の、刺身入り、鯛茶漬け、で、あった。
(軽く、二杯はいける、、が、理性で押さえる。)
刺身は難しいものである。
断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |
2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |
2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15
2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |
2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月
2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月
(C)DANCHOUTEI 2007