断腸亭料理日記2007
3月11日(日)夜
午後、台東区の中央図書館へ。
例によって徒歩で、落語の稽古をしながら。
このところ、図書館はよく利用している。
当然ながら台東区の歴史関係の資料は充実しているし、
また、前に蔵前の札差のところで書いたが
VTRの映像資料もある。
橋場、と、猿若町のVTR資料を借りる。
橋場のものがおもしろかった。
橋場といえば、剣客商売で大治郎の道場があったところで
江戸期のこのあたり、一応は、町であったが、ほとんどが田や畑。
山谷の八百善は有名だが、風雅な料亭などはあったかと思われる。
むしろ明治に入り、風光明媚な大川(隅田川)沿いに
三条実美の対鴎荘をはじめ、皇族、華族や実業家の
別邸が建っていったようである。
中でも、ここには元九州久留米藩有馬家の邸があった。
明治も40年になり、今の明治通り北側にコークスからガスを作る、
東京コークス(現東京ガス)の工場ができ、橋場はそこで働く
労働者達の住む長屋が立ち並んでいったという。
当時の有馬家当主、有馬頼寧(よりやす)は、昼間働く彼らのための
夜間学校「信愛学院」を建て、当地の教育にも尽力した。
そんな歴史もある橋場、であった。
ともあれ。
図書館から、ビューホテル、国際通りを渡り、
ROX(ロックス)のユニクロに寄ろうかと思うが、
なくなっていた。
(いつなくなったのであろうか。知らなかった。
(この件、本日、07・04・26、読者の方から、なくなっていない、との
ご指摘がありました。調べてみますと、以前は、ROX3にありましたが
ROXのメインビルの3Fに移っていたのを知らなかった、という
間抜けなことでした。お詫びいたします。
探してもないわけだ、、。)
松屋にも入っているのでそっちへ回る。
新仲(シンナカ。新仲見世)を抜け、松屋まで。
今日は、日曜にしては、人出が少ないよう。
松屋のユニクロに寄り、ワイシャツなど購入。
地下の食品売り場を覗く。
佃煮の海老屋で葉唐辛子。
佃煮や、もいろいろあるが、海老屋のものが、うまい。
内儀(かみ)さんが、昨日鮨を食ったので、「今日は肉」、
などといっていたので、日山で、安かったので、
生のハンバーグを買う。
(一枚¥150。3/12に食べたが、なかなかうまかった。)
松屋から雷門。
そうである、肉といえば、松喜。
雷門前の三井住友銀行の隣である。
地元の人間では、知らないものは、いなかろう。
二階がステーキなどのレストランで、下が肉の売り場。
土日などは、いつも、人だかりがしている。
(実は筆者買ったことはなかった。)
週末の目玉、と書いてある、
¥400/gのこま切れを300g買ってみる。
こま切れとはいえ、霜降りのなかなかよさそうな牛肉である。
すき焼きにしようか。
田原町から、浅草通りを渡って寿。
途中、最近できた、新堀通り沿いの店で
すき焼き用に、しらたき、ねぎ、春菊、えのき、などを買う。
帰宅。
先に、葉唐辛子で、呑みはじめる。
葉唐辛子の佃煮は、東京だけのものであろうか。
全国的にはあまり見ないような気がする。
下町の佃煮やには、ほとんど置いてある。
子供の頃から食べているが、うまいものである。
さて、すき焼き。
入れるものは、ねぎ、春菊、えのき、しらたき、焼豆腐、麩。
白菜は水が出るので、入れない。
それ以外、特段変わったことはしない。
どこの家庭でも作るすき焼き、で、あろう。
甘辛で、溶いた生玉子で、食う
(割り下は面倒なので作らず、しょうゆ、砂糖、酒を
直接鍋に入れてしまう。)
以前は、普通の家庭用の大きなすき焼き鍋を使っていたが、
昨年、取材用に買った、この小さな鉄鍋。
二人であれば、このくらいでちょうどよい。
雷門松喜の肉は、松坂だか、神戸だか、らしいが、
厚めに切ってあり、噂通り、¥300/gにしては、
なかなかうまかった。
たまには普通のすき焼きも、よいものである。
松喜
TEL : 03-3841-2983
住所 : 〒111-0034 東京都台東区雷門2丁目17−8
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