断腸亭料理日記2007
7月4日(水)夜
今日は、雨、で、ある。
朝から午前中、五反田で来客。
午後、牛込市谷のオフィスに戻った。
雨は強くはないが、ほぼ一日降っていた。
21時過ぎ、オフィスを出る。
夕方は、こぬか雨、という感じであったが、
少し強くなっている。
カレーでも食おうかと、納戸町の、からかうあ、
をのぞいてみるが、休み。
ここにはハワイ島のコナビールが置いてあったと思い、
きてみる気になったのであるが、残念。
ハワイのハワイ島には一度、ダイビングでいったことがあるのだが、
コナビールは、ラベルのデザインもよいし、なかなか
味もよい。
さて、どうしようか。
スーパーに寄ってみる。
鰯がある。まいわし、和歌山、刺身用、と書いてある。
比較的大きめのもの、三匹で、300円ちょい。
見た目には、そこそこ悪くなさそうである。
いわしといえば、先日、うるめいわしを刺身やら
ぬた、やら、いろいろにして、しこたま食ったが、
なかなかうまかった。
いわしも、よく出回っているのは、
まいわし、うるめいわし、しこいわし(かたくちいわし)であろうか。
しこいわしは、1月に、つみれ汁にしていた。
真鰯も、今は旬、で、あろう。
関東では銚子が有名で、先週、テレビでみて、うまそうであった。
なぜ和歌山なのか、よくわからぬが、買ってみよう。
帰宅。
三匹、小さな出刃で、頭をポンポンと落とし、
それぞれ、腹をきれいに洗う。
腹を開けてみると新鮮さがわかるように思われる。
これは、しっかりとしており、ものはよさそうである。
鰯は手開き、と、いうのもあるが、出刃包丁を使った方が
やはり、きれいにおろせる。
中骨をはずし、腹骨を取り、皮を引く。
三匹終了。
半分は刺身。
もう半分は、先のテレビでもやっていたが、
なめろう、にしてみよう。
なめろう、と、いうのは、最近は知られるようになってきたが、
銚子をはじめ、千葉や伊豆、伊豆七島などの漁師料理で、
生の青魚を叩いて、味噌で和えたもの。
ねぎも刻んで入れる。
みじん切りであるが、あらかじめ繊維に沿って
なん本か包丁を入れ、切る。
鰯の身を細かく叩き、味噌(信州味噌)、
みじん切りにしたねぎを、まな板の上で加え、そのまま和える。
味噌の加減を見るため、少し味見。
お、結構、うまいぞ。
これは期待が持てる。
刺身用に、しょうがもおろす。
盛り付け。
(前回の、うるめいわしの刺身の写真と比べて見てみると、
こうして皮をむいてしまうと、違いがほとんどわからない。)
ビールを開ける。
刺身。
和歌山産が、よいのか、このモノがよかったのか、
わからぬが、うまい、まいわし、で、ある。
脂も十分にのって、真鰯らしいうまみ、と、いうのか、
なまぐささも程よくあり、バクバクと食べる。
内儀(かみ)さんに残しておこうかと思ったのだが、
結局一人で半身三枚分、全部片付けてしまった。
なめろう。
皿をなめるほどだから、なめろう、という
なんという話もあるようである。
味噌で味を付けた、なめろう、と、いえども、
やはり、いわしがよいせいだろうか、かなりうまい。
以前に、なめろうも作ったことがあるが、
生臭いものを、味噌で和えても、より生臭さが強調される、
と、いうのであろうか、今ひとつであった記憶が、ある。
よい、うまい鰯でこそ、よりうまくなるのが、
なめろう、なのかもしれない。
いや、ほんとうに、なめるようにして、ちびちびと
つまみながら、呑む。
箸が、とまらない。
冷静に考えると、鰯とねぎと味噌であるから、変わったものは
一切入っていない。
堪えられないうまさ、という表現はちょっといいすぎかも知れぬが、
久しぶりに、かなりのレベルのうまさ、である。
どちらにしても、よいものを入手する、
と、いうことが、すべて、なのかもしれない。
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