断腸亭料理日記2007
7月28日(土)第二食
昨日は、急に肉が食いたくなり、牛ばら肉を買って、
揚げて、煮て、蒸して、ちょっと食べて、寝た。
飯を炊いて、文字通り、あんかけご飯にしなくてはならない。
起きて、まずは、米を研ぎ、水を切って、乾かす。
なにも、ここまでしなくとも、よいのだが、なんとなく、
ちゃんと、飯を炊こう、と、いう気になったのである。
水を切って、1時間ほど後、釜に移し水加減をし、浸水。
これでは、完成まで、だいぶ時間がかかる。
腹が減るので、第一食として、先週の鮎飯が、まだ冷蔵庫にあったので、
これを飯椀一杯食べる。
牛ばらあんかけ飯には、青菜炒めを添える。
チンゲン菜でも買ってこようか。
電気釜のスイッチを入れ、出る。
今日も暑い。
天気もいい。
そろそろ、梅雨明けでもよさそうである。
そういえば、今日は、隅田川の花火大会、で、ある。
この天気は、花火日和、で、あろう。
下駄を履き、新堀通り沿いの妙に安い八百屋へ。
チンゲン菜100円、小松菜が80円。
小松菜、というもの、形は違うが、チンゲン菜とは
菜っ葉として、種が近いのではなかろうか、と、思っている。
味もかなり似ている。小松菜は東京の野菜であるが、たとえば、
信州の野沢菜、九州などで栽培されている高菜などは、近い品種である
ということを、どこかで聞いたことがある。
同じ種でも、作る場所の土壌などによって、形、見た目が変わる、
こともあるようである。
花火用に、枝豆、谷中しょうがも買う。
少し、落語なども口ずさみながら、
浅草通り沿いの100円ショップまで行く。
こう暑いと、帽子がほしくなる。
確か、ここに、麦藁帽子があったように思って、で、ある。
あった、あった。
こんなものが、100円で売っている、というのも、
時代、で、ある。
今時、この東京都心で、麦藁帽子をかぶって、
下駄を履いている者など、なかなか、いない。
格好は、Tシャツに、脛の出た短いズボン。
我ながら、ヘン、である。
下駄まではよかろうが、麦藁帽子がくると、とたんに、
お百姓というのか、物売りというのか、
昭和以前の匂いが漂うのが、不思議、で、ある。
しかし、炎天下、麦藁帽子の効果は絶大である。
頭自体を灼熱から保護もするし、幅の広い庇が、
顔や目を日陰にしてくれる。
子供の頃は皆かぶっていたのだが、改めて、麦藁帽子の
威力を感じる。
ともあれ、帰宅。
飯はあと五分で切れる。
小松菜を炒めて、昨日の土鍋を再加熱し、
煮汁をあんかけにすれば、完成、で、ある。
土鍋を火にかけ、温めておく。
小松菜は洗い、5cm程度に切っておく。
にんにく、しょうが少量みじん切り。
正しい青菜炒めの作り方。
と、いうほどのこともないかろうが、、、。
まずは、中華鍋を熱し、一度たっぷりの油を回し、
回ったら、余分な油を切る。
ここに、にんにく、しょうがを入れ、手早く炒める。
すぐに、小松菜の茎の方を先に入れ、炒める。
時間差で、葉の方。
ここで、水を少しだけ入れ、合わせる。
塩、しょうゆ、酒、中華スープの素、胡椒。
最後に、胡麻油を少々香り付けに。
置いておく。
土鍋の方。
別の中華鍋を用意し、水溶き片栗粉も用意する。
土鍋から煮汁をお玉二杯ほど取り、中華鍋に移し、加熱。
水溶き片栗粉を回し入れ、よくとろみをつける。
ここに、温まった肉も入れ、合わせる。
飯を盛り、青菜、あんをかけて、完成。
かなりの長丁場であったが、出来上がった。
牛ばら肉あんかけご飯、で、ある。
昨夜そのまま食べたが、とろみを付けると、
また、味も違うように感じるのが不思議、で、ある。
八角もよい具合。
牛バラ肉も柔らかくなり、かなり、うまい。
煮込んであるので、煮汁の餡も、ことのほか、うまいし
飯に染み込んで、まさに、堪えられない、うまさ。
(あまりにうまく、いくらでも食べられてしまう。
食べすぎには、注意、である。)
小松菜炒めも、うまい。
時間がかかるが、それだけのことがある、
牛ばら肉あんかけご飯、で、ある。
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