断腸亭料理日記2007
8月2日(木)昼
さて、今日は、駅弁、のこと。
今日は、14時、仙台着の予定で、東京駅12時前、発の
はやて・こまちに乗る予定、で、あった。
したがって、昼飯は、駅弁、と、いうことになる。
東京駅で駅弁を買う、となると、八重洲口の大丸の地下。
ご存知方も多いだろうが、ここの食品売り場は、弁当が充実している。
時間があれば、筆者は、ここに行くようにしている。
ここで、少し問題がある。
市ヶ谷駅から乗り、東京駅で新幹線に乗る。
切符は東京都区内から、仙台までであるので東京駅で
弁当を買いに出る、となると、途中下車になってしまうので
これはできない。
そこで、無駄になるが、市ヶ谷駅からは、別にスイカ(パスモ)で乗り、
東京駅で、一度改札から出る、ということをしなければならない。
さて、大丸の地下へきて、選んだのは、
小田原駅の、鯛飯。
文字通りこれは駅弁、で、あるが、
ここには、和、洋、中、専門店ブランドの弁当も豊富にある。
迷ったのは、やはり、鮨であったが、決定の要因は値段、で、ある。
駅弁は、やはり、¥1000を超えないのがよいだろう。
(大名旅行ではない、サラリーマンの日帰り出張である。)
鯛飯は、710円。こんな感じ、で、ある。
小田原駅の東華軒というところ。
ふたはプラスチックになっているが、
デザインが昔風で、よいではないか。
小田原の東華軒は、小鯵の酢〆にしたものの押し鮨があり、
以前食べて、知っていた。
ついでだが、小鯵の押し寿司の駅弁は大船駅などにもあり、
筆者は、ファンではある。
(なぜか、羽田空港の京急のホームのKIOSKで売っているのを
買ったことがあった。これは包装紙がよい味を出していた。
今はこちらも、値上がりしているようである。)
この鯛飯と並んで、小鯵の押し寿司もあったのだが、
こちらは、量が多く、980円で、やめてしまった。
11:56発の、はやて・こまちに乗って、席に座り、
ふたを開けてみる。
どんなものかと思って食べてみると、
ご飯の上に載っているのは、でんぶのような、
いわゆる、おぼろ、で、ある。
したがって、甘い。
甘いものを予測していなかったので、筆者としては
ちょっと意外であったが、別段、まずいわけではない。
おかずは、小田原らしく、小さな竹輪、蒲鉾、
小さなパック入りのわさび漬け、その他、佃煮、漬物。
びっくりするものや、高価なものは入っていないが、
こんなもので十分。
小田原の駅弁らしくてよいではないか。
帰り。
今度は、仙台駅のホームで19:30、
駅弁を買い、上りの、はやて・こまちに乗った。
時間が遅めであったせいかも知れぬが、あまり選択肢はなかった。
すべてが1000円。
そして、ほとんどが、牛タン。
東京駅の構内も、魅力のなさは、同様である。
だから、別に切符まで買って、改札を出て大丸の地下へ
いくのである。
ほとんどが1000円というのは、客単価を上げたい。
単純にそういうことであろう。
高そうな具を入れて、箱のデザインも豪華そうに見せ、
1000円という顔を作る。
今日の鯛飯のように、昔からある駅弁には、豪華さはなくとも
包み紙のデザイン、中身には、駅弁本来の楽しさがある。
どうしてそういう駅弁をたくさん作ってくれないのか。
東京駅にも、昔からあるものも、売ってはいる。
横長のオレンジ色の箱、チキン弁当、800円、
中身は、鶏から揚げにチキンライス。
皆さんも一度くらいは食べたことがあるだろう。
このチキン弁当と、今日食べた、小田原駅の鯛飯を比べると、
金額も考え合わせれば、鯛飯に軍配が上がると思われるが、
わけのわからない、豪華幕の内弁当、1000円也よりは、
チキン弁当の方が、どれほど良心的か。
仙台駅にしても、東京駅にしても、コントロールしているのは、
JR東日本なのか、弁当会社なのか、わからぬが、
閉鎖された空間での、いわゆる売り手商売。
本当の意味で、魅力的な駅弁を売ってほしいと思うのである。
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