断腸亭料理日記2007

だんちょうていの出張食い倒れ日記・大阪編+α

大阪出張〜堀江・やぶそば+

市ヶ谷・路麺・瓢箪

4月13日(金)

今日は、朝から大阪出張。
5時起き、6:20、東京駅発の、のぞみ。

前日は、歓送迎会で、呑み過ぎ。
二日酔い、と、いうよりは、まだ酒が残っている。

第一食は、車内でサンドイッチ。

9時、新大阪着。
行く場所は、当社の大阪のオフィス。

仕事は、昼、少し前には終了。

少し早いが、大阪のオフィスそばの、そば屋へいこう。
前にも書いているが、堀江・やぶそば

大阪で、やぶそば、というのは、ちと妙であるが、
なかなか、気の置けない、うまいところである。

きざみのうどん。


やはり、というべきか、やぶそばであるが、かけ、は、
そばもうどんも、つゆは澄んだ西日本の昆布だし。

ねぎの切り方が違う。
斜めに切って、煮込んである。
また、油揚げの、きざみ、も、少し甘く味が付いている。

大阪人の会話というのは、内容はなんということはないのだが、
聞いていて本当におもしろい。
一人で、大盛のざるそばを食べにきていた、近くの花屋の小父さん。
店の小父さんと、話をしている。

子供の話のようである。
(声に出して、読んでいただきたい。)

店「もう、高校かぁ?」

花「今、中三。来年や。」

店「じゃあ、受験やなぁ。」

花「いくとこがなくって、なぁ。」

店「いくとこなんか、なんぼでも、あるやろ。」

花「学校はあってもなぁ、頭、悪いし、金もないやろ、

  行く学校が、あらへん。」

店「はー」

花「中卒でも、今、逆に、ええんちゃうかなぁ、思うてな。」

店「花屋、継がすんか?」

花「いや、継がさへん。

  今、金がないくらいやから、儲かってへん、店やしなぁ。」

、、、。

なんとも、ぼんやりした不思議な調子で、
しみじみと、おかしい。

うどんは、うまかった。
つゆもすべて飲み干す。

関西のつゆも、これはこれで、別のものとして、
うまいものではある。

さて、大阪というところは、おもしろいところである。

なんば、でも、梅田でも、駅に隣接して、
地下街が発達している。

そして、居酒屋。
カウンターにスツール、だったり、完全な立ち呑みだったりするが
串カツなどを置いた、居酒屋が、必ず、そこここにある。
これが、昼には既に店を開けているのである。

この串カツがまた、うまいのである。

芝の田町に、たけちゃん、という店があるが

ここは、その大阪形の串カツ立ち呑みである。

おもしろいと思うのは、梅田、であるとか、なんば、であるとか、
中心部の地下街に、こうした、立ち呑みがあるところである。
東京でいえば、新宿なのか、銀座にあたるのか、相当に繁華な場所の
地下街、で、ある。

むろん、昼からやっている立ち呑みは、東京でもあるが、
上野御徒町であったり、神田、有楽町ガード下、浅草、
あるいは、北千住、立石、といった周辺部下町。

なんばの地下を歩きながら、串カツを食べたい衝動に
かられるが、東京へとんぼ返りするため、さすがに、
それはやめ、新大阪駅へ向かう。

新大阪駅で、新幹線に乗る前に、バッテラ寿司などを買って
車中で食べる。

その後、新大阪駅で買った『永井荷風という生き方』
(松本哉 集英社新書)を、車中、読む。


荷風先生の『日乗』を中心に書かれているものだが、読みやすい。
数多い若い愛人のことやら、人生観やら。
永井荷風という人は、まあ、とにかくおもしろい人である。

作者の松本さんという方は、永井荷風先生の日記、『断腸亭日乗』の
直筆の原本を見たこともあり、内容自体も2〜3回は読んだという。

筆者も読もうと試みたことはあるのだが、ここにも書かれているが、
あまりにも難解な漢語が多く、漢和辞典を引きながらでなければ、
とてもだめで、挫折している。

『断腸亭日乗』直筆の原本というのは、手帳ほどの大きさで、
雁皮紙(がんぴし)という丈夫な和紙のごく薄いものに、
細かい毛筆の文字で書かれ、表紙が付けられた
昔風の和書の製本がされているものだという。

大正から、昭和、戦中、戦後、昭和三十四年の亡くなる前日まで、
四十二年間、書き続けられたわけである。大学ノートなどに
書き散らしたものではなく、自身でもなん度も読み返してもいたようで、
このような体裁にしてあったようである。

夕方、東京に戻り、市ヶ谷駅を降りる。

またまた、小腹が減ったので、市ヶ谷駅裏の、路麺、瓢箪へ寄る。

ここは、この日記では書いたことはなかったと思う。
駅を降りて右側、麹町へいく通り(新坂)の一本目の路地を、
右に曲がった左側にある。

青いビニールテントの庇。

狭い店だが、昼は、かなり賑わう。
持ち帰りもあるので、近くのオフィスの女性なども、買いにくる。
鶏そぼろ丼(で、あったか)、軽いどんぶりものもあり、うまい。

大阪は、少し肌寒かったが、東京に戻ると、蒸し暑いくらいである。
冷やし、に、しようか。

かき揚げの、冷やし。


ここの麺は、茹で、かと思われるが、
かき揚げは、サクサクで、うまい。


17時過ぎ、帰社。


瓢箪
東京都千代田区五番町4-2


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