毎年ここまで、伸びてしまうが、年賀状を出しがてら
車で、最後の買い出しである。
予約してある、神田須田町のまつやの、年越しそば。
まつやは、これも毎年であるが、店で食べようという人々で長い列である。
神田まで来たついでに、持ち帰るのを忘れていた、買わされていた、
蒲鉾を取りに会社へまわる。
もう、電気を落としているため、悪くなってしまう。
静まり返ったオフィスに、Y2K対策で、担当が数人。
ご苦労様なことである。
帰り道。
正月2日に、今年は兄と母が葛飾の拙亭に来るとのこと。
何か、甘いものでも、買っておこう。
なにがよかろう。
筆者は、呑むせいもあり、甘いものは、嫌いではないが、
これ、と決めているものはない。
駅前の和菓子屋の最中でもいいが、
ふと、上野広小路「うさぎや」の、どら焼き、を思い出した。
上野へ。
車のため、店を見つけるのに、若干の手間がかかった。
10個もとめたが、PM5:00、筆者の後で、売り切れになってしまっていた。
早速、帰って、お茶を入れ、食べてみる。
いろいろと、噂は聞いていたが、
なるほど、ちょっと、唸って、しまった。
先ず、皮(というのか)の柔らかさ。
どら焼きというと、文明堂の、三笠山ぐらいしか、これ、というものは
思い出さないが、もっと硬かったような、記憶がある。
ちょっと、大げさだが、ふわっと、口の中で溶けるようである。
また、あんこ。
もちろん、今日作ったものであろうが、
煮え立ての、小豆の香ばしい、香りがする。
甘味ももちろん、控えめ。
手で作った、優しい、味である。
外装箱なども、取り立てて、凝ったものではない。
1本数千円の、虎屋の羊羹も、いい。
まぎれもなく、東京の菓子である。
しかし、この、うさぎやの「どら焼き」は
なにか、今残る、江戸の味、というのが適当では、なかろうか。
気取りもなく、ただ、正直に、うまいものを作っている。
江戸名代、うさぎやの「どら焼き」である。
※平均点 2.741 合計 27人