断腸亭料理日記

■鮨処 寛八本店

場所は台東区上野4丁目。
どこにあるやら、まったくぴんと来ない町名ではある。
上野ではない。御徒町。多慶屋のそば、という表現がもっともわかりやすいだろう。
拙亭からは自転車で4、5分。
春日通り、竹町の交叉点(都営大江戸線新御徒町駅)を
御徒町方向に向かい300Mほどを左に入る。
右側、マンションの1階。

店主である、親爺さんは70歳前後の方。
同年輩の女将さんもいつも店に出ている。
この二人が、なかなかに魅力的である。

ちょうど、筆者の親の世代でもある。
話を聞くと、10代の頃に上京し、修行。
浅草生まれの女将さんと結婚し、
ここに店を開いて40年。
昭和の時代を生きてきた寿司職人。
二人で店を大きくし、今は、上野、湯島、鶯谷に支店を持つ。
(子供さんがやられているという。)
その自信が仕事に満ち溢れている。
筆者などが言うのは僭越の極みだが、
昭和の江戸前寿司の修行と経験の重みを感じさせる仕事とは
こんなものなのだろうと感ずる。
寿司一つ一つ、つまみの一つ一つ、すべてのものが実に充実感をもって
食べる者に迫ってくる。そんな寿司屋である。
おまかせで、\7000。初めて行っても安心である。

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