断腸亭料理日記2006

油淋鶏

9月3日(日)夜

風邪が治っていない。と、いうよりも、悪化した。
水曜に休み、木金と仕事。
先週一週間、ずっと、上がっても37℃までであったが
昨日、土曜日には、38℃にまで上がってしまった。
内科で、少し強い薬を出してもらい、今日は少し下がった。
そんなわけで、今週は土曜日の路麺も、行けなかった。

この暑いのに、第一食は、自作鍋焼きうどん。

鶏と玉子、油揚げ、ねぎ。
汗をかきかき、食う。

夕食。

昨日のTBS、チューボーですよ!

油淋鶏。ユーリンチー、で、発音はよいのだろうか。
甘酢をかけた、中華風鶏の唐揚げ 、で、ある。
これが作ってみたくなった。

油淋とは、下味をつけた材料に油をかけながらゆっくり揚げる、
と、いうことらしい。
TVでもやっていたが、皮付き丸鶏(半分)をぶら下げて、
上から、熱い油を、ジャバジャバとかける、のである。
これがちょっと、やってみたかった。

冷凍庫に、先日のスープカレーにも使った、鶏の骨付きももが
まだ一本あった。
これでやってみよう。

まずは、解凍。

そして、下味付け。
塩、花椒、しょうゆ、の順に、よく揉み込む。10分。

次に、蒸篭で蒸す。
拙亭には、中華の蒸篭が、ある。

中華鍋に水を張り、蒸篭を置き、さらに蒸篭の下部が水に触れるまで
蒸篭の上から水を足す。
(蒸している最中に湯面は下がっていくが、あまり下がると
蒸篭が焦げてしまうのである。従って、当初は
水面は、蒸篭に触れるくらいしておく。)

下味をつけた鶏ももを皿に載せ、蒸篭に入れ、蓋を閉め、
加熱。
(ほんとうは、湯が沸き立ってきたところに、
入れた方がよさそうだが、それは、かなり熱いので、
最初に入れる。)
TVによると、15分という。

15分経過。
串を刺して、火の通り具合をみる、、、、。
だめである。赤い血が出てくる。

TVでは、堺巨匠が食べたものは、中心部が、生、であったようだ。
戻し、追加で、数分。

また、串を刺す、、、。
だめ、、、。
なかなか中心部まで熱が通らないようである。

えーい、面倒だ!

レンジ加熱。

もういいか。いい加減、根負け。

扇風機で表面を乾かす、という。
しばらく放置。

その間に、たれを作る。

米酢、黒酢、しょうゆ、砂糖、オイスターソース、胡麻油、胡椒。
ねぎ、しょうがともにみじん切り。

味見。
なんとなく、味が濃いように思う。
蒸した時に肉を載せた皿にたまった、汁と脂、
捨てるのももったいない。入れてみる。
まあ、よいか。

さて、油淋、の準備。

鍋に油を用意し、加熱。

骨付き鶏ももに料理用のフォークを刺し、
料理用のミトンを左手にはめ、そのフォークを持つ。
右手で中華のお玉を持ち、スタンバイ完了。

油の温度が上がってきたのを見計らい、右手のお玉で、
かけ始める。油温は、180℃という。高温である。
はねる。が、かまわず、どんどんかける。

この作業、なかなか、おもしろい。
豪快で、なにか、いかにも料理をしている、という感じである。
重点的に、皮にかける。
この作業のポイントは、皮をパリパリにするところにあるという。
基本的に、先ほどの蒸しの工程で、火を通すことは終了している。
(ハズ、で、ある。)
茶色濃い色になるまで、かける。

いいかな。
下ろし、フォークを抜く、、、、。

げ!。まだだめだ。中心部から、血が出てくる。

まだ蒸しが、足らなかった、のである。

ここへきて、後戻りはできない。
レンジをかけるわけにもいかない。パリパリが台無しである。

仕方なく、皮目ではない部分にも、念入りに再度
油をかける。

全体、丸々、油淋、してしまった。
フォークを抜いても、今度は、大丈夫。

骨ごと、出刃包丁で切り、たれをかけ、水に晒した白髪ねぎを飾る。

完成!!。ミテクレ、は、よい。

けっこう、たいへんであったが、油淋、というのは
意外に、楽しい作業であった。男の料理、という、充実感がある。

さて、食べる。
念入りに、やっただけあって、皮のパリパリ、は、よい。

が、、、、。
中も硬い、、、。パサパサ。

油淋、を、やり過ぎた、、。
(そもそも、油淋で熱を通すこと、それ自体、間違っている。)

やはり、熱の通しは、蒸し工程で完全に終了しておかなければ
いけなかったのである。
TVでも、堺巨匠は失敗されていたが、蒸しは、15分+αでも
足らない。(プロの、火力と蒸しの技と、一般のものとは大分に
違うのであろう。)
20分?あるいは、それ以上、かも知れない。
串を刺しての確認は、念入りに、で、ある。

ともあれ、油淋鶏。
鶏から揚げ、の中華プロ仕様、というところであろう。
油淋それ自体は、おもしろいのだが、今日のように、
蒸しが足らぬと、散々なことになってしまう。
こんなことなら、普通に揚げた方が、よっぽど、うまかった、、。
この料理は、油淋にばかり目がいくが、むしろ、蒸し鶏を、油淋する、
と考える方が、よかったのであろう。




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