断腸亭料理日記2006

銀座・洋食・煉瓦亭

3月3日(金)昼

さて、今日は、昼から八重洲まで外出。

昼はどうしようか。

筆者のオフィスのある牛込界隈から、八重洲、というと、
JRの市ヶ谷駅まで歩くよりも、有楽町線に乗り、有楽町からが
一本で、最も近い。

と、なると、やはり、ジャポネ、、、、、が、
どうしても気になる。

インズに入る、、と、オフィスデポが抜けて、
空いたスペースまで、長蛇の列。
『ありゃ、こりゃだめだ、、。』

さて、どうしようか。
ニューキャッスルは、この前行ったし。

このところ、ご無沙汰している、煉瓦亭へ行ってみるか。

ここは、『池波レシピ』である。

むかしの味 新潮文庫 池波正太郎著

先生は、ここでは、カツレツとハヤシライス。

前回の日記

創業は明治28年(1895年)。
なんと今年で、111年。まさに、日本洋食界の草分け。

場所は、中央通りから、一本入ったところ。
同じくカツカレー発祥の洋食屋、スイスグリル
も、並びにある。

煉瓦亭も、昼時は、列ができるが、13時過ぎともなれば、
だいじょうぶ、で、あろう。

ガラスのドアを開けると、いつもドア前に立っておられる方が、
にこやかに迎える。

しかし、ドア前に立って、入る客、出る客、迎え入れ、送り出す。
一人一人、声をかけ、案内をする。
今、こういうことをする店というのも、ほとんど、東京でも
見当たるまい。
古き良き、銀座の名残。
これだけでも、ここへ来た甲斐、が、あるという気がする。

さて、入れ替わりをしばし待ち、地下へ、案内される。

なににしようか。

いつも通り、味付きご飯ものと、フライもの、なのだが、、、。

よし。今日は、カレーと、カニコロッケ、で、いってみるか。

どちらも、ここでは初めてかもしれない。
たいていは、チキンライスと、カツレツの組み合わせである。

剣客商売・黒白、を読みながら待つ。

きたきた。

やはり、白いライス、ではなく、味の付いたご飯ものと
メインがあるのは、とてつもなく、ぜいたくな感じがして、
幸せ、を感じるのは、育ちのせい、であろう。

こうした食べ方を教えられたのは、他でもない、
池波先生、である。

カレーはよい香り、が、している。
なにか、昔のカレー粉の香り、といったらよいか、
香ばしい、香り、で、ある。

カレーをとりあえず、全部、ライスにかけてしまう。

肉は、大きな豚バラ肉、で、ある。

バクバク、と、食う。

そして、、、。

あ、味の薄い、カニコロッケを先に、食べるべき、で、あった。

失敗。

あわてて、(と、いっても、もう遅いが。)
コロッケも食べる。

デミグラスソースが周りに敷かれ、コロッケが二つ。
ナイフで切るが、衣は、とても柔らかい。

デミグラスソースはかなりさっぱりした味。

付け合せは、ポテトの、、なんといってよいのか、わからない。
サラダでもないし、ジャーマンポテトでもない。
温かい、いもの形が残った、柔らかい、薄味の付いたじゃがいも、で、ある。
そして、フェットチーネ。

カニクリームコロッケのクリームは、結構しっかりした食感で、
味は、こってり。

カレーはインドカレーではもちろんなく、
また、いわゆる、欧風カレー、でもなく、
日本で最も一般的な、普通のカレー。
具は、先の、豚バラと、玉ねぎ、のみ。

辛さはそこそこあるが、〆て、とても普通な、カレー、で、ある。
これだけ普通のカレーは、逆に、今、どこにもないかも知れぬ。

しかし、まあ、うまい、ことは、間違いない。

満腹。

にこやかな、笑顔に送られて、店を出る。

うまかった。


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