断腸亭料理日記2006

浅草並木藪蕎麦から、

おざわ、そしてバー

8月5日(土)夕方

先週、高校時代の悪友から、
「下町で、呑みませんか?」
とメールがきた。

妙な誘いである。
筆者は毎日、浅草の呑みやで呑んでいるわけではないが、
住んでいるので、ある意味では、毎日、
下町で呑んでいるようなものでもある。

ともあれ、土曜日の夕方早い時間から、と、いうことだ。

暑いであろうし、、。
まあ、蕎麦屋、で、あろう。
下町?、、、並木藪、に、しようか。
誰がどう見ても、雷門の真正面で絵に書いたような下町、か。

16時半、並木藪、待ち合わせ。

筆者は、下駄を履いて、短パン。いい加減な格好で、向かう。
それにしても、暑い。拙亭のある元浅草から、並木までは
15分ほど。日陰を選んで、歩く。


5分前に店に着く。
暖簾をかき分けて、覗いてみると、まだ来ていない。
店の前で、しばらく、待つことにする。

暑いが、隅田川の川風であろうか、風はある。

ほどなく、友人が到着し、店に入る。
小上がりの座敷も、テーブルも、一応、埋まっている。

相席で座敷に上がる。

まずは、ビール。

つまみは、わさび芋と、焼き海苔。
焼き海苔は、冬になると、塗りの器で、下に火のついた炭が入れられ
冷めないようにして出てくるが、夏は、さすがにそんなことはない。
皿に載ってくる。
わさびいもは、山芋のおろしたもので、わさびじょうゆで、食う。
ビール一本を呑んで、酒。菊正宗の樽酒。真っ白な一合の銚子。
白木の一合升が袴になっている。
どうも喉が渇いていると、どんどん呑んでしまう。
適当にやめて、蕎麦にしなければならない。

が、“次(の店)”を決めてからでなければならない。

筆者の提案は、1.うなぎ。2.もう一回、そば。

1.は、この並木藪のすぐ近所の、色川

2.は、先日行った、西浅草に引っ越してきた、おざわ

蕎麦を食って、うなぎ、というのも、ぜいたくであるし。
蕎麦屋のハシゴ、というのも、また、おもしろい。

友人は相当悩んだ末、結局、蕎麦屋のハシゴ、を選択。

ざるをそれぞれもらって、食う。

雷門通りをぶらぶらと、歩く。
まだまだ、暑く、人出は多い。

17時半、おざわに着くが、今日は臨時で18時から、との張り紙。
そばの、東京電力のテプコ浅草館、と、いうのを見て時間を潰す。
(ここ、浅草の昔を展示していたりし、そこそこ時間が潰れる。)

18時、暖簾が出ると同時に入る。
席は入り口そば。

漆喰で塗られた飾り小窓から、花などが見えて、よい。

友人は酒。筆者は、前に来て、あるのを知っていた、
ベルギービールをもらう。

つまみは、天ぷら盛り合わせと、ねぎのおひたし、
鴨肉のソーセージ。

両国のほそ川も、同様で、今更ながらであるが、ここのご主人も、
きちんと和食の修行をされた方なのだろう。
そんじょそこらの趣味そばと違うのは、天ぷら、で、ある。
揚げ立ての玉ねぎが、うまい。

ねぎのおひたし、と、いうのが、またいい。
白髪ねぎよりも細い。

呑んでいる間に、お客さんも随分入ってくる。
この店、少しお年を召した女性の二人組み、
それも観光客ではもちろんなく、よい感じの下町のお婆ちゃん
というような風情の方もいらっしゃる。

そば。太打ちはない、とのことで、
筆者は鴨肉の冷やかけ。
友人は、普通の盛。

鴨は軽く燻製にしたもののスライス。
おろしも入っている。
細切りのそばにさっぱりしたつゆ。

うまかった、うまかった。

お勘定をして、三軒目。

ビューホテルの手前の路地。
よく行く、バー。駒形のむぎとろ、経営の
Barley ASAKUSA(バーレー)というところ。



食って、呑んで、
かなり酔っ払って、帰宅。
たまにはこういうのも、よかろう。





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