断腸亭料理日記2005

金目煮付け

12月27日(火)

暮れも押し詰まってきた。
筆者の会社は、28日が仕事納め、で、ある。

そういえば、仕事納め、という言葉も、最近は使わなくなってきた。
会社でも使う人は少ない、いや、ほとんどいない。
滅んでいく言葉であろうか。

問題は、“納め”の部分である。
正月というのものの、意味がどんどん希薄になり、
納める、という感覚がなくなっているのであろう。

ともあれ、昨日も忘年会で、呑み疲れ、で、ある。

今日は、早めに帰ろう。
御徒町の吉池に寄って、魚でも見よう。
営業は21時までであるが、20時を過ぎると片付けを始めてしまい、
生もの、はほとんどなくなってしまう。

前から捜していた、ハゼ、は、ないだろうか、、。
落ちハゼ、と、いうやつ。

うーむ、ないものである。
こうした、小売の魚屋には、吉池でも出回らないものであろうか。

見て回ると、金目、が安い。
30cm程度のものが、¥350。
銚子産。
これは、安いのでは、なかろうか。
二匹。

呑み疲れ、食べ疲れ、今日はこれでよかろう。

帰宅。

鱗を取り、はらわたを出す。
切らずに、丸のまま煮よう。

効果があるのかどうか、わからぬが、

飾り包丁を十字に入れる。

金目は、身が柔らかいので、
一度、湯通しをする、いわゆる、霜降り、はしないことにする。
その代わり、はらわたを取った腹は、流水でよく洗う。

大きな鍋に二匹並べ、水を魚の2/3ほどの深さまで入れ点火。
煮立ってきたところで、しょうゆ、酒、砂糖。

アルミホイルで落し蓋。
ここから、7〜8分。
煮魚は、煮過ぎない。
その代わり、味付けは濃く。
最近は、これを旨、と、している。

呑み疲れであるが、それでも、酒は、一合だけ呑もうか。
鉄瓶で燗を付ける。

金目。
よし、7分。アルミホイルを開けてみる。
ん、ちょっと、崩れた、、。
それでも、気を取り直し、フライ返しと、しゃもじを
頭と、尻尾の下に入れ、二刀流で、そーっと
皿に移す。

卓袱台まで運び、つゆは、ここでかける。

完成。

つまみは他に、先日の出張で買ってきた、京都の茄子。
それから、まだ残っていた、切干大根をレンジで温める。


一杯呑んで、
金目を食べる。

煮え具合と、つゆの濃さはよいが、
ちょっと、脂が少ないか、、。
金目は、脂の乗りが、身上、であろう。

伊豆、あるいは、北海道、が上物、なのであろう。
随分前だが、夏、西伊豆の民宿で、刺身を食べたことがあったが、
これは、もう脂でトロトロ、で、あった。

まあ、贅沢はいうまい。

身の味自体は、ほろっとし、うまい。

そうそう、京都で買った、茄子の漬物。
これは、うまかった。
漬物は、やはり、ピンきり、で、ある。

さて、あと一日。明日は、15時までである。



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