断腸亭料理日記2005

カンパチかま・塩焼き

11月26日(土)午後

第一食。今週は、田端の路麺、かしやま

土曜の朝は、路麺、で、ある。
段々に、バリエーションが増え、
浅草千束・ねぎどん→田端・かしやま→人形町・そば好→三ノ輪・長寿庵、
これを、きれいに回して、一ヶ月、で、ある。

素晴らしき哉、人生!。そんな感じである。

1年365日、毎日三食で1095食。
この1095食、いかに、“実のある”食い物が食べられるか、
これが筆者にとっての大問題、で、ある。

“実のある”とは、ただ、うまい、だけではなく、
腹一杯に食う、でもなく、むろんのこと、高価なだけの美食でもなく、
それ以外の、“なにものか”、を、得ることのできる食事、で、ある。
路麺、特に上の四軒には、そんな“なにものか”、が、ある。

毎週一回は違った“なにものか”が得られる。
これは、幸せなことで、ある。
やはり、素晴らしき哉、人生!、で、あろう。

いつものように、田端から戻り、三筋のスーパーヤマザキに寄る。
ここは、ヤマザキパンの経営であるため、パン類が充実し、
店でも焼いている。同時に、ヤマパンの、まるごとバナナ、のような、
洋生菓子も充実している。
路麺の後は、やはり近所の餅菓子屋で、みたらし団子を買うか、
この、ヤマザキでシュークリームを買う。
なにか、甘いものが食いたくなる、のである。

それから、ここは、魚のアラ、も、充実している。
それも、朝は、半額になっていることが、多い。
先週は、鯛のアラ、で、あった。

今週は、なにが、あるかな?

カンパチ、で、ある。
長崎の養殖もの、で、ある。刺身にした、残り、であろう。
カンパチの天然ものは、浅草・駒形の鮨「松波」で、
食べたが、目の飛び出るほどの、高級魚、である。
脂と、食感、香り、がポイントで、あろうか。
養殖ものは天然よりも脂が、多い。

塩、で、焼いてみようか。

筆者、魚のアラ、や、肉であれば、モツ、に、弱い。
弱いとは、好きである、ということである。

なぜか?。
答えは簡単、で、ある。
安くて、うまい、からである。

そういえば、同じく、
先週は、牛筋の煮込みも作っていたりしている。

アラや、モツは、いわば、余り、で、ある。
だから、安い。
そして、たいていは、脂が、ある。
また、臭み、もある。
このあたりが、余り、たる、ゆえんである。
しかし、うまく料理をすれば、これほどうまいものは、ない。

ご承知の通り、今は超高級品のマグロの大トロも、少し前までは、
赤身で脂が多過ぎ、鯛や平目などの白身に対して下魚(げうお)、
であり、ねぎま鍋などにし、庶民の食い物であった。

午後、焼き始める。

かま、だけでなく、腹骨のあたりも、ある。
よく洗う。
かま、は、血が、固まっているので、洗っても、なかなか、
取れない。
また、生でも、かま、も、腹骨も、脂が強い。

塩を強めにし、腹骨は、ガスレンジで、かま、は、
オーブンで焼く。
たいした意味はない。
ガスレンジには、入りきらないから、で、ある。

焼けた。

大根おろしでも作ろうかとも思ったが、面倒になり、
しょうゆだけ。

ビールを開けて、食べる。

脂はあるが、生臭さは、ほとんど、ない。
腹骨も、かまも、舐めるように、手で食べ尽くす。

どうして、こうしたものは、こうもうまい、のであろうか。
安いと、より、うまく感じる、ような気もするが、
これも、うまい、だけでない、“なにものか”の
一つであろう。

“実のある”食事、で、ある。



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