断腸亭料理日記2005

だんちょうていの

出張食い倒れ日記・仙台編

8月4日(木)昼

今日は、珍しく、出張。
仙台である。

東北もやっと梅雨明けをしたようである。
(まだしていなかったのである。)
恐ろしく、暑い。

架線事故とやらで、東北新幹線のダイヤは乱れていたが、
昼前、仙台駅到着。

昼飯を駅ビル内で食わねばならない。

時間が若干あるので、少し歩いてみると、
名物の牛たん通り、というのと、すし通りというのが
できている。

12時ちょい前、と、いうのに、牛たんの方はどの店も
随分と列ができている。

こうなると、選択としては、列の比較的少ない、牛たんの店に入るよりは、
すし屋の方を選ぶのが、賢明であろう。

なかで、一軒、立ち喰いの店があった。
別に、急いでいるわけではないが、座って、いわゆる、セットの
決まりものの寿司を食べるよりは、おもしろかろう、と、入ってみる。

「北辰鮨」、と、いうところ。

かなり、きれいであるが、回転寿司ではない。
(以前に、雷門の某回転寿司チェーンの立ち喰いに入り、
がっかりしたことがあった。)

一個ずつ頼めることを確認。

まず、白身、から。
聞いてみると、こち、赤魚、ひらめ、、。

「じゃ、こちと、ひらめ、、。
 赤魚ってなんです?」
「赤い魚です」
そりゃ、そうであろうが、、、。会話になっていない。
「どうします?」
「あ、いいです。」

三つとも出てきてしまった。
とんちんかん、な会話である。

まずくもないが、うまくもない。
切り方の問題であるかも知れぬ。
薄めに切ればもう少し、違うであろう。ちょっと、厚い。
基本的には、魚は地物であろう。うまいはず、である。
続けて、すずき。
これも、同様。

鰯、秋刀魚と、さばのづけ、と、いうもの。
これは、酢じょうゆに漬けてあるもの、という。
三つもらう。

これは、どれも、うまい。
調子が出てきた。

びんちょうまぐろ、かつお、時鮭、生のあなご。

びんちょうまぐろ、これはうまい。
当然、生であろう。
かつお、は、まあまあ。

時鮭(ときしらず)。バーナーで炙って握られて出てきた。
まずくはないが、握って寿司にする意味が、今一つ、であろうか。

生の穴子。
東京の人間の悪い癖である。穴子は江戸前。東京のものと、
思い込んでいるが、日本中にある。
瀬戸内、広島なども名物であるし、大阪でも、名古屋でも食べる。
三陸でも獲れるので、、あろう、、。
レモンで〆て、軽く、煮切りが掛けてある。
なかなか、うまい。

なにか、端から食べているように感じになってきた。
まだ食べていないもの・・・。

いか、つぶ貝、ほたて。
どれも、ものがよいのであろう。
格別に、うまい。

よし、終了。

うに、かじき、、など、
三陸といえば、まだまだ、食指が動くものもあったのであるが、
適当なところで、やめなくては、、、。

しかし、文字通り、めぼしいものを、食べ尽くしてしまった。
都合、14個。

¥2500、なにがしである。
安くもないが、高くもなかろう。

全体を通すと、かなり、よかった。

最近は、東京にも、三陸の寿司屋が進出している。
食べたこともある。

今さらいうまでもないが、いわゆる、握りずしは全国にある。

元来、江戸前寿司は、文字通り東京の食文化であり、
板前が腕と技を、競ってきた歴史がある。
これと、地方の握りずしを比較すること自体、
間違っているのであろう。

似て非なるもの。
違う食い物、で、あると、思わなくてはならない。

物がよいことは、いうまでもない。
東京でいえば、Aクラスのネタがこの値段で食べられたのは、
御の字である。


「だんちょうていの出張食い倒れ日記」読み切りである。




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