断腸亭料理日記2005

ジャポネ〜鰹節のこと

(まぐろかま焼き・とろろ汁)

5月2日(月)

さて、連休、中日(なかび)である。二、三日前から、
妙に食べたくなっていた、ジャポネ。

1月14日

2月12日

このところ、銀座方面に行く用がなく、
ご無沙汰であった。

寝る前に、明日は、何を食べようか、と考える。
平日でもあり、ジャポネ、日和。

食べたのは、「ジャポネ」、普通盛

筆者、かなり無理をしないと、ここの大盛でさえ、ダメである。
やはり、残しては、申し訳ない。
(読者の方は、筆者、大食漢、と、思われている方もおられるかも知れぬ。
小食ではないと思うが、世の男性の基準からすると、最大許容量、は、
さほど、多くはない。
ちなみに、身長170cm、体重63〜65kg、で、ある。)

ジャポネの「ジャポネ」は和風で、「ジャリコ」から、小エビと、
大葉を抜いたもの。¥50安い。

やはり、ジャポネはすべてのものに、例の酸味があり、
それがうまい。
魔法のフライパン、で、あろう。

さて、夜、である。
田原町の、スーパー赤札堂。
赤札堂の発祥は、門中(モンナカ・江東区、門前仲町)である。
下町のスーパーである。

そろそろ、時期である。
生利節でもあれば、と思ったが、残念ながら、なかった。

しかし、いろいろなものが、¥100均一、になっていた。
そのなかで、長芋、まぐろかま、ほたるいかボイル、の三品。

帰宅。

まぐろかまは、酒、しょうゆに、おろしショウガを入れ、
漬けておく。


鰹削り節で出汁を取っておく。とろろ用である。少量でよい。

何度か書いているが、鰹節のこと、
今日はもう一度きちんと、書いておこう。

鰹節には今、2種類あることを、ご存知だろうか。

大雑把にいうと、西日本のものと、東日本のものである。
削っていない、鰹節を見たことのない方もひょっとすると、
おられるかも知れぬが、削っていないもので見るとわかりやすい。

筆者は東京の人間であるため、もともとは、東日本のものを、
鰹節、と、思っていた。
東日本のものは、粉を、吹いている。
これは、黴(かび)、である。

もともと、鰹節の産地は、土佐などである。
ここから、はるばる、江戸まで、船で、運ばれる間に、
黴てしまった、という。
しかし、この、黴た鰹節が、滅法うまかった。
そこで、以来、わざわざ黴を付けた物を作るようになり、
江戸をはじめ、東日本では、これを使うようになった。
なにか、紅茶の発祥の話と似ている。
(紅茶もアジアから、欧州へ、茶葉が運ばれる間に、船の中で
発酵してしまい、これがうまい、ということになり、紅茶に
なったという。)

このため、西日本で一般に鰹節というと、黴のないもの
で、ある。

今、和食の料理人ではあたり前のことであろうが、
出汁を取る場合は、西日本のもの。
東日本のものは、おひたしなどにかける、生食用と、
追いがつお、など、使う。
東日本のものは、香りはとてもよいが、出汁として使うと
旨みは少なく、また、煮過ぎると、香りも、すぐ飛んでしまう。
そこで、出汁に使う場合は、湯が煮立ったところへさっと入れ、
すぐに火を止める。

パック入りの削り節は、東京でも2種類のものが売られている。
大きな袋に入った、出汁用のもの、=西日本のもの、と
小さな袋に小分けされた、もの、=東日本のもの、である。
拙亭には、両方を常備してある。

これ、ちなみに、品名も違う。
西日本のものは、鰹削り節、東日本のものは、鰹節削り節、である。

さて、とろろ。

長芋は、ガスで、ヒゲ根を焼いて、取る。
すり鉢では時間がかかるので、おろし金で、このまま、皮ごと、おろす。
ここに、全卵、しょうゆ、酒、冷ました出汁を適量、そして、わさび。

これも、味付けは、濃い目が、うまい。

まぐろかまは、漬けて30分以上。
ガスで、普通に焼く。


さて、食べる。

まぐろかま、が、滅法うまい。
これも、コラーゲンである。プリプリで、脂もある。

とろろ汁も、毎度であるが、すり鉢一杯。
うまかった。



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