断腸亭料理日記2004

吾妻橋・藪そば

12月23日 天皇誕生日(木)第二食
午後、買い物に出る。

小腹がすいた。

吾妻橋・藪そばへ、行ってみる。

浅草からは、吾妻橋を渡り、直進、
芋きんつばの満願堂の先、左側である。

不思議なものであるが、吾妻橋を渡ると、
浅草側とは街並みの雰囲気が、がらりと変わる。
やはり、川向こうである。

今日などは、雷門界隈は、年の暮れの人出。
既に、クリスマスではなく、門松、注連縄(しめなわ)、
謹賀新年のポスターなど、新年を迎える飾り付けである。

なぜであろうか。

浅草線、本所吾妻橋駅もあり、さほどに不便な場所でもない。
両国は別として、同じ川向こうでも、森下(新大橋)、
門中(モンナカ・門前仲町)(永代橋)と比べても随分と、地味である。

歴史的には、本所も北部で、外れであった、ということか、
あるいは、現アサヒビール本社・墨田区役所の場所は

長い間、アサヒビールの工場であったかと思う。
そのせいであろうか。

また、ここから北へ、向島までいくと、また、雰囲気は違う。

さて、吾妻橋・やぶそば。
間口1〜2間ほど、こぢんまりしている。
たたずまいも、なんということもない、普通の街のそば屋である。

しかし、ここ、うまい。

藪らしい、そば、といったらよいであろうか。

妻は、天ぷらそば。

ちょっと変わっているのが、胡麻汁そば。
筆者は、今日は、これにした。

ゴマだれのつけそばである。

薬味は青い万能ねぎ。

ゴマだれは、よくあるゴマだれのイメージよりは、
江戸っ子好みの、洗練というのであろうか。
さっぱりしている、といってよいであろう。

なかなか、うまい。

天ぷらそばは、池之端藪同様の、芝エビかき揚げ
あがって運ばれた時にも、まだ、ジュウジュウと揚げ立ての音を
たてていた。

見た目にも、かなりうまそうであった。

藪の看板を上げていても、疑問符の付く店も多い中、
地味ではあるが、吾妻橋藪、質の高い藪らしい仕事、
とてもよい店である。


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