断腸亭料理日記2004

湯島天神

シンスケから大喜

11月15日(月)夜
寒くなってきた。

20:00退社。
おでんが食べたかった。

お多幸、とも思ったが、
帰り道でもないし、どうせ行くのなら、
もう少し早い時間の方が、よい。

池之端仲通りに前から、気になっていた
おでん屋があり、大江戸線を、上野御徒町で降り
回ってみるが、休み。

どうしたものか。
大喜(ラーメン)の方に、ぶらぶら、歩いてくる。

ちょうど、大喜の春日通りをはさんで、
向かい側に、シンスケという、老舗居酒屋がある。
1925年、大正14年、創業という。

知ってはいたが、入ったことはなかった。
のぞいて見よう。

老舗居酒屋といっても、鉄筋コンクリート建て。
入ると、カウンターとテーブル席。
二階もあるようで、随分と広い。
安居酒屋というような、イメージではない。
カウンターも、立派な一枚板。

そこそこ、すいている。

正一合の店、というのがキャッチ。

これ、正しく、一合、です、
ごまかしていません、という意味であろうと思う。

ともあれ、つまみ。

最近、いわゆる、居酒屋、というところに、
あまり来なくなっていた。

呑み屋でも、もつ焼きなら、もつ焼き、
焼鳥なら焼鳥、と、看板のはっきりしている
業態の方が、魅力を感じる。
魚が食べたければ、寿司屋、というような具合である。

なんでもあります、の居酒屋では、
やはり、どっちつかず、なのでは?という気がしていた。

なにが、よかろう。

ナマコ酢。里芋とたこの柔らか煮。

大間のマグロが、メニューにあったが、マグロなど喰うのであれば、
やはり、よほど信用ができるところでなければ、
寿司屋以外では、食べてはいけない、ような気がするのである。

酒は、両関・本醸造、お燗。
あまり見ないが、辛口。

たこは、本当に柔らかく、うまい。
ナマコ酢も、よい。

ひかえたわけではないが、
一合でやめた。

すかっと、一合で出る、というのも、よい。

仕上げは、向かいの大喜で、鶏そば。

ここ「鶏そば」は看板。
評判もよいようであるが、食べたことがなかった。

塩である。

長さ7〜8cm、幅2cm程の薄切りの茹でた鶏肉が
5,6枚のっている。
他に、かいわれ、白髪ねぎなど。

ここの他のものとは違い、まったく、奇を衒ったところはなく、
さっぱりとして、うまい。
が、逆に、びっくりするほどでも、ない。

正直のところ、他の実験的なメニューの方が
面白い。ここの楽しみでもある。

今日は、以上の二軒。

腹いっぱいである。

シンスケ


断腸亭料理日記トップ | 2004日記リスト1 | 2004日記リスト2 | 2004日記リスト3 | 2004日記リスト4

2004日記リスト5 | 2004 日記リスト6 | 2004 日記リスト7 | 2004 日記リスト8 |

BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2004