断腸亭料理日記2004

秋刀魚塩焼き

8月24日(火)夜
ニュースでやっていたが、
この日、銚子での秋刀魚の初水揚げであったようである。

港ごとに、初水揚げの日が決まっているようだ。

しかし、銚子とはいえ、獲れたところは、釧路沖であるという。

近年、秋刀魚はどんどん早くなっている。
今年は、7月に入ると寿司屋には出ていた。
合羽橋・太助でも、生だったり、軽く炙って握り、などで食わせていたが
うまいことには違いがないが、なにか、これも違うような気がする。

本来、秋刀魚は大量に獲れて、うまくて安い、庶民のものである。
どこの家庭でも、七輪でボウボウ煙を立てて、焼いたもの。

初物が早くなっているのは、鰹なども同様である。

元来、初鰹は、「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」の例を
引くまでもなく、初夏である。

今、鹿児島あたりで揚がるものが
2月末あたりには出ていたような気がする。

野菜同様に、旬がわからなくなってきている。

初物に高値がつくという、日本人心理。
ことに、鰹と、秋刀魚はわかりやすい。

秋刀魚も、9月には入る頃には、すでに、食べ飽きている。
そんなことにもなる。

ともあれ、今日は初水揚げを祝し、秋刀魚にする。
スーパーを覗くと、北海道産で1本¥145。
やはり、1本¥100を切ってほしいところである。

ものはかなり、いい。
刺身でもいけそうな、光り方。
大きさも大きく、幅もぶ厚く、うまそうである。

大根も忘れずに購入。

さて、二本を焼く。

半分に切って、塩をする。

七輪で炭、という手もあるが
今日はやめて、ガス。

弱火でじっくり焼く。

大根をおろす。

これだけ。

何か、近年の秋刀魚、脂が少なくなっているような気もする。

以前のものは、ガスで焼いても、火と煙がボウボウでるほど
大量の脂があった。

今日のものは、北海道産であるからだろうか。

もっとも、脂があり過ぎるのも考え物でもある。
焼き方にもよるが、煙で燻(いぶ)り、煙臭いものになってしまう。

ビールを開けて、食べる。

しょうゆをかけて、大根おろし。
ベトベトの脂ではなく、そこそこで、うまい。

秋刀魚だけを二本、バクバクと、食う。

この秋は、何回食うのであろうか。

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