断腸亭料理日記2004

プティフ・アラ・

カンパーニュ

7月13日(火)昼
うだるような暑さである。

さて、問題の昼飯。
新ネタ探しに、今日は麹町まで出かける。

前から知ってはいたが、行ったことはなかった。

正確には、麹町ではなく、一番町。
最寄駅が、半蔵門線半蔵門か、有楽町線麹町である。

千代田区麹町、番町界隈。
古くは江戸城の西。甲州街道の北、内堀と外堀の間に位置し、
甲州街道沿いには町屋(麹町)、周りが旗本屋敷。
江戸城の西へ向かっての守りの位置。

明治以降は、一番町の内堀沿いにできたイギリス大使館を
はじめ、各国大使館が点在し、それ以外は、お屋敷の街となった。
現在は、これに、大妻女子大などの複数の学校、大小のオフィスビルが混ざっているが
閑静な雰囲気は保っている。
(ちなみに、番町は一番町から、六番町まであり、「番町」という地名があるわけではない。)

この店は、そんなところにある。
もともとは、神保町の古書センターにある欧風カレーの名店「ボンディー」
から出ているようである。

12:00前に行くが、もうすでに満席。
待っている人もいる。

待つこと10分ほどで座れる。
ビーフ辛口大盛にする。

辛さは選べる。

ライスはチーズがまぶされたバターライス。
皮ごと茹でたじゃがいもに、
バターをそえて出てくるのも、ボンディーと同様。

京橋ドンピエールが欧風でも、デミグラスソースのような、と
形容したが、ここは筆者が作るような小麦粉ベースのルウのもの
(ちなみに、ボンディーも同様。)

この場合の味は、ウスターソースとりんごなどの生のくだものや野菜、
チャツネなどのジャム系のもの、そして、ブイオンの組み合わせで作られる。

ここの上記材料で作られているであろうベースは、比較的甘め。
辛口にしたので、これに、香辛料で辛味を加えていると、思われる。

ベース。甘めである。その味の中身。あえていえば、
ウスターソースが立っているような気がするが、

かなりバランスよく、まとまっているのではないだろうか。
また、コク、味の厚みというのでろうか、が深い。

そこが、ここの特徴であろう。

パク森なども、同様の欧風カレーに入ると思われるが
厚みが違う。
(逆にいうと、クドイ、ヘビー、という形容詞にもつながる。)

牛肉はよく煮込まれていて、柔らかい。

総体として、プティフ・アラ・カンパーニュ、完成度は高いのではないだろうか。

地図

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