断腸亭料理日記2005

合羽橋・太助寿司

3月27日(日)夜
今日は、東京の桜の開花予想日であった。
新宿御苑の桜は咲き始めているようだが、例によって、
靖国神社のものが咲かないと、開花宣言にはならない。

向島へ見に行ってみたが、ここも、まだである。
(配信の頃には、咲いているだろうか・・・。)

いろいろ考えたが、今日は、太助へ。

東京の飲食店は、ほとんどが、土日休み、あるいは、
土曜はやっても、日曜日はほとんどが休み。
しかし、浅草の飲食店は、日曜も営業しているところが多い。
観光地・浅草、という側面であろう。
しかし、夜ともなると、人は引け、客は、地元の者たちである。

日曜の夜は、家族で、サザエさんを見て、NHK大河を見るのが
普通の日本人なのであろう。

また、太助は、合羽橋にあり、この界隈、寺町でもあるため、
いわゆる、法事に使われることも多いといい、土日も営業し、
休みは、水曜日である。

さて、今日は、店に入るなり、大将が、
「また、読んで来て下さった方がいましたよ。」

この日記を読んで、足を運んでくださった方がいらっしゃったらしい。
そして、その方が、やはり、文章だけであるが、うまそう、である、
と、思っていただけた、という。
比較的、年配の方であったとのこと。
ありがたい限りである。この場を借りて、感謝、である。

今日は、妻と二人、ほぼ、貸し切り状態。

さて、そろそろ、魚も、冬から、春へ、
平目から、鰈へ。
そんな時期であるという。

また、春先は、貝の時期でもある。

つまみ。

あおりいか。たこ。塩で。

平目。勝山(南房総)。
すだちしょうゆで。甘味があって、うまい。

青柳。北海道、野付半島(別海町・国後島の目の前である。)。
これも、甘い。

ちなみに、北海道産の青柳は、東京湾などで獲れる青柳とは
別の種類であるという。内地のものはバカガイ。北海道のものは
エゾバカガイといい、形も大きく、やや、白っぽい、
一般には、味が薄い、といわれているらしいが、
貝特有の臭みがなく、書いたように、甘味があり、うまかった。

しめ鯖。淡路。鯖もそろそろ、終わりである。
ぼたんえびと、その頭の塩焼き。

さて、今日は、このあと、きんきの煮付けが出た。

この太助で、煮魚が出たのは、筆者は初めてである。
きんきは、釧路産と、いう。

よく考えると、すし屋を含め、東京の、ちゃんとした、和食やで、
煮魚を食べたのは、初めてかもしれない。

しょうゆも、砂糖も味が濃い。

筆者の好きな、例の、「辛めに煮付けた、鰈」
は、砂糖はほとんど入れず、しょうゆと酒のみの味付けであるが、
太助は甘味も濃い。
(筆者なんぞは、よいのだが、濃すぎる、という人も、おられよう。)

きんき、から出る脂と、砂糖とでか、煮汁の表面に、薄い膜が張るほどである。
水あめでも入っているのかと聞くが、そうではない、という。

きんきは、きらきら、飴色に光っている。

とにかく、脂がこってり。

ぷりぷりの身と、ゼラチン質である。
(煮汁を、いただいて帰ってしまった。)

さて、にぎり。

平貝、岡山。
生きたものを、つぶして下さった。

前に、軽くあぶって、海苔でとめた、にぎりを、食べたが、生は生で、またよい。

甘味である。

大将は、貝はとにかく、鮮度であるという。

小肌。
この時期は、もう、かなりでかい。
コノシロ?かと聞くと、
小肌と、鮗(コノシロ)の間にナカヅミ、という言い方が
あるそうである。

新子の出回る、初夏を待たねばならない。

妻の希望で、マグロ赤みの即席ヅケ。
今日は、芽ねぎがのっていた。
毎度書いているが、ここの赤身は、甘く、トロのようである。

芽ねぎがのって、「ネギトロでしょ」と、大将。
その通りである。うまい。

穴子。

カッパ巻き。

以上。

今日もおいしかったです。

地図


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