断腸亭料理日記2004

池之端・藪そば

4月27日(火)昼
案の定、二日酔いである。

昼、毎度であるが、京橋の得意先。
いろいろ考えるが、勝手知ったる御徒町へ出て、
湯島の大喜でラーメンとも思った。

12:00前であるが、すでに店は満席、さらに外にも、列が5、6人。
早々にあきらめて、同じ汁物で池之端藪にする。

夜はよく来るが、ウイークデーの昼は初めてである。

夜は呼び込みでうるさい池之端仲通も
さすがにまだ人通りも少ない。

冬の夜、一杯やって、鴨せいろ
(ここは、せいろではなく、ざる、と言わせる。)
というのが、パターンであった。ここの鴨ざるは格別である。

入ると、一番乗りであった。
天ぷらそばにしてみる。

ここの、女性店員の注文の通し方は、語尾を延ばす昔風。
人がいないため、今日は声がよく通る。

文庫本を読みながら待つと、ほどなく運ばれる。

小ぶりの鉢。通常のそば屋と比べれば、いかにも小さく、少ない。
天ぷらは、かき揚である。
鳥の巣のような網状の飾り衣がかき揚の周りを覆っている。
てっぺんに三つ葉。

薬味に、ねぎと、本わさびが添えられている。
温かいそばに、わさびを添えているのは珍しい。

そばを啜る。
天ぷらを食う。かき揚の実は、芝海老と思われる。
これが、実にうまい。プリプリである。
かなりよいものではないだろうか。
先ほどの鴨ざるもそうだが、ここは他のそば屋とは
一線を画す仕事をしている。

もっとも、値段もそれなりに取る。

二日酔いの腹には、油と水分がよい。
量もちょうどよい。

並木藪もそうであったが、ここも、温かいそばにも、そば湯が出てくる。
ここのつゆは、割らなくても飲める濃さ。
一口飲んで、さらに、そば湯で割って最後まで、飲み干す。

満足。落ち着いた。

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