断腸亭料理日記2004

向島花見〜寺方そば長浦

3月27日(土)
開花宣言から一週間。
寒い日が続き、花が開くのもゆっくりであった。
やっと暖かくなり、五、六分から日曜日には満開という。

花見に行かずばなるまい。
ここ数年は、いわゆる、大勢集まっての宴会の花見はしていない。

昼から妻と自転車で吾妻橋を渡り、向島へ。
かなり、人が出ている。

久しぶりに来てみると、墨田区役所に勝海舟の銅像ができていた。

海舟 勝安芳 としてある。
いわゆる、号を肩に本名が記されている。
正しい表記であることはわかるが、なぜであろうか。
一般的には勝海舟でよいはずである。
(どなたか、ご存知の方おられますか?)

※筆者追記
維新後、勝海舟は改名し、安芳、とした。
安房守は、アホウ、と、読めるが、同じアホウと読める安芳にした、
とも、いわれているようである。

土手を北上。向島側は西向きのため浅草側よりも早く開いている。
まだ、店を広げて、花見をしている人たちは少ない。
明日あたりからであろう。

途中の出店でビールとおでん。二人で、桜の下、川を見ながら食べる。
屋形船も数艘出ている。

桜橋を渡り、浅草に戻る。そばでも食おう。
先ほど通りかかった、並木藪は珍しく行列をしていた。
尾張屋はどちらかというと、昼飯の天丼である。
待乳山聖天の脇を抜けて、ゴロゴロ会館から、花屋敷、すし屋通りから
寺方そば長浦へ。

寺方そばというのは、いささか、聞きなれない言葉である。
今、東京の伝統のあるそば屋といえば、藪や更科が思い浮かぶ。
しかし、ものの本によると、江戸の昔には、お寺でそばを打って、
振舞うということがあり、そこから、寺が店のようなものを
出すようになったという。

そば屋に○○庵という屋号があるが、これは、その流れ、ともいうらしい。
長浦ではお酒は般若湯であるし、そば雲水などというメニューもある。

しかし、なんとはなしに、ここでは私は、つけとろと決めているが

今日は二人のため、つまみとしてのとろろ(月見とろろ)と燗酒をもらう。
そばは、盛り。

とろろ、かなり腰があって、うまい。
酒、二人で二合。

いい気分で帰宅。

寺方そば長浦地図

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