断腸亭料理日記

名古屋のうなぎ

11月26日(木)

今日の昼はうなぎ。

うなぎは私の好物。

名古屋のうなぎというと「ひつまぶし」が有名。

しかし、これはさすがに高価なため(安い店もあるがこれは別の機会に)会社の近くの安いうなぎ屋へ。

今池(場末の盛り場といった趣の街、東京で言えば赤羽。)の裏通り「左の一」。
 

60格好の爺さんと婆さんが喧嘩をしながらやってる店。うな丼が\750〜と安い。

名古屋では関東と違い2.5cm×5cm程度のたんざく型に切って
並べずにザクザクと飯の上に乗せる。
下から\750、\850。聞いてみると、たんざくのうなぎの枚数が違う
という。特上\1,300というのもある。

いつも一番下と、いうのもなんだから\850のにする。

名古屋でもうなぎは高級品。この値段では普通、食べられない。 東京と同程度。
一般的に地方へ行くと飲食費は1,2割安くなるが贅沢品はその限りではないのか。
ことにしみったれでかつ、見栄っぱりな名古屋人の性格を反映しているのだろう。

そこで、たいしてうまくもないのに店構えが立派で高いだけの店も多く出現する。

うなぎは蒸さないでそのまま焼くため基本的にはパリっとしている。
まずい店ではパリパリで硬い。
うまい店ではパリパリだけが中はやわらかい。
たれの味付けは関東よりも甘く濃い目。
ひつまぶしなどでうな茶にした場合この濃さが必要。
関東の現在の味付けでは一度試したことがあるが薄くて食べられない。

余談だが
今、関東では「うな茶」という食べ方はあまりなくなっている。
落語、居残り佐平次などに登場するように昔はあったようだ。
関東のたれももっと濃かったのだろうか。
確かに、昔の味を残してると言われる神田明神下の神田川なぞは濃い。
しかし、その濃さはしょうゆが強い。
そば屋で言えば浅草の並木薮のつゆの濃さといったところか。

ともあれ、この爺さんと婆さんのうなぎ屋「左の一」は安くてうまい。
うなぎも柔らかい。もちろん炭焼きでもないがそこそこうまい。

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