断腸亭料理日記

上野薮

7月18日(日)
今週は帰京。
昨夜は、広島へ転勤になるという友人「O」と、もう一人の友人「Y」と呑む。

広島へ行く、人間を、名古屋にいる人間が、送る、
というのも、考えて見れば、いささか妙であるが、
この二人とも、高校時代からの旧友である。

呑み過ぎた。

男も、30代半ばを過ぎ、今、世の中に対して、
なにか無性に、(言いたいことが)、ある。

ともあれ、二日酔い、である。

「鴨せいろ」が食いたくなった。

どこへ行けば、いいだろうか?

拙亭からは遠いため、今日、わざわざ行くことができないが、
新宿のパワーステーション(日清食品)の裏に、小松庵という、
全く無名だが、うまい鴨せいろ、を食わす店がある。

いろいろ、考えた挙げ句、上野藪、と、決めた。

薮蕎麦も、、神田、池之端、並木の、御三家。
その他、いろいろあるが、それぞれ、一長一短。

「神田」は、店員の声はいいが、店が大きく、落ち着けない。
「池之端」も、老舗で雰囲気はいいが、その分、暗い。
「並木」は言うまでもなく、しょっからい。

それぞれ、そういうつもり、の時にはいいのだが、
今日のような、気力、もない時には、気分、ではない。

そこで、上野藪、である。

味もよいが、御三家のような、若干の敷居の高さは、ない。

筆者は以前より、冬、この店で出す、
軽く炒めた、生牡蠣がのった、牡蠣(かき)そばが気にっている。

店舗は丸井の裏路地、上野らしい、ごみごみした区画にあるが、
こじんまりとし、店舗も新しく、こぎれいである。

店構えは新しいが、そこそこに、歴史はあるようである。

鴨せいろである。
もりそばを、鴨とねぎのつゆにつけて食べる、そばである。

食べる。
どうしたわけであろう。
つゆが薄い。つけそばというよりは、かけそば、という濃さである。

別に、徳利に入った、つゆがあるので、足してみる。

まだ、薄い。
全部入れる。

やっと、食べられるようになった。

様々な好みに合せて、薄めに調整してあるのだろうか?

考えて見れば、この店で、もりそばの類は食べたことがなかった。
失敗である。

特に、鴨せいろは、濃い目がいい。

選択を間違えたか。

しかし、上野藪、冬の牡蠣そばはいい。
 
 
 

※平均点 2.333  合計30人   (今日は不人気。)

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