断腸亭料理日記 池波正太郎レシピ

鬼平軍鶏鍋・後編

1月30日(土)
昨日に引き続き、軍鶏鍋である。

昨日は鶏正肉、レバー、皮、牛蒡、春菊など材料を
甘辛の割下へ入れ終わり煮えるのを待っている、ところまで。
今日は食べてみて。

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準備は完了。さあ、いよいよ、

食う。

む、む、これは、これは、、、、、、。

まず牛蒡がうまい

考えてみればあたりまえ。
濃い目の出汁で牛蒡を煮れば柳川、どぜう鍋などいわば実績のある食べ方。

肉へかかる。まず、鶏の正肉。これもうまい

レバーだが、煮込んだ時間が正肉、牛蒡と同じでは足らなかった。
より、煮込まないと中心部まで火が通らない。少し大きく切り過ぎた。
しかし、これも、よく考えると
拙亭では鶏のレバーはたまねぎなどと、甘辛く煮て好きでよく食べている。
正肉と時間差で入れて、煮込めばうまい

春菊。これも当然うまい
すき焼きの例を引くまでもなく、甘辛、脂の多い料理には合う。

さらにである。これを卵でとじれば、なんのことはない、親子丼。
牛蒡が入るので柳川も遠くはない。
また、あいにく今日はないが、
すき焼きのように卵を割りほぐしたにもので食べてもうまいだろう。

いわばどの部分をとってもうまいハズの軍鶏鍋
全体としてまずいはずはない。

さらに、親子丼をはじめ、今あるいろんな料理の原形であったのだ。

ビールを飲みながら、なにか、感動に近いものをおぼえる。

残っていたレバー、皮を入れ煮込んでおく。

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といったことで二日にわたって書き綴った、
「鬼平」軍鶏鍋、これにて一巻の読み切りである。

その後の軍鶏鍋

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