断腸亭料理日記2007

上野・肉の大山・メンチカツ

2月4日(日)夜

昨日は、すぎ田でとんかつを食ったが、
なぜだかまた、上野、大山のメンチカツが食いたくなった。

いい年をして、こんなものばかりを食べていてはいけないとは
思うのだが、思い込んだら、しかたがない。

4時ごろ、例によって、稽古がてら、家を出る。
今日は天気はよいが、そこそこ、寒い。

(一昨昨日、配信分の、小林清親の墓やら、永六輔さんの
ご実家やらを確認のため)
元浅草を一回りし、上野へ向かう。

キムチ横丁を抜け、昭和通りを渡り、AMPMの路地を入る。
これが丸井裏の路地。海苔やのガードの通りである。

丸井が右側。その対角の角が、上野藪そば。

その先、右側が、肉の大山。
寒い2月、日曜日のこんな時間でも、立ち呑みコーナーでは、
生ビールを呑んでいるカップルがいたりもする。

ここはメンチが二種類ある。
特製メンチと、やみつきメンチ。
特製の方が、¥200、やみつきの方が、¥100。
この価格の差が、なにに起因するのかわからないが、
食べてみれば、歴然と¥200の方がうまいのがわかる。
(一説には松坂牛であるということだが、未確認。)

特製を二つ買おうと思うが、あいにく、一つしかなく、
特製を一つ、やみつきを一つ。それからコロッケを二つ。

焼鳥も、とも思ったが、こう寒いと不思議に、
食指が動かない。
やはり焼鳥は、暖かいとき、で、ある。

袋に入れてもらって、ブラブラぶら下げて、帰る。
帰りも、稽古。

さて、夜。
オーブントースターで温め直して、食べる。

やはり、これは、ビール、で、ある。
上の写真は、特製。
やみつき、と比べると、大きさ、厚みも微妙に違うようである。
特製の方が、大きい。

味は、、?
よくわからぬが、特製の方が、ジューシーな感じ。
そして、ナツメグも効いているように思われる。
ここは、ラードであろうか。
揚げ方もよいのであろう。衣もしっかりしている。

まあ、どちらにしても、うまいものは、うまい、のである。

それからコロッケ。
これも、なかなか、うまい。
じゃがいもも、ほっこり。

さて、メンチカツ、と、いうものは、いったい、なんであろうか。
筆者は、かなり好きな部類に入る食い物で、ある。

これ、ようは、ハンバーグに衣を着けて
フライにしてある、ということではないのだろうか。

日本の洋食のメニュー、で、あるが、
海外、たとえば、フレンチ、に、こういうメニューはあるのだろうか。
おそらくないのではなかろうか。
日本で生まれたメニュー。

そして、不思議な点は、ハンバーグであれば、焼けばいいのだが、
それをご丁寧に、衣を付けて揚げる、という手間までかけている。
ハンバーグよりも、明らかに、手間がかかっている。

しかし、で、ある。
ポジションというのか、価値観というのか、は、
ハンバーグよりも、決して、高くは、ないのではなかろうか。
コロッケよりは、ポジションは高いかも知れぬが、
コロッケやハムカツ、レバカツと、一緒に売られ、ハンバーグよりも、下。
不思議なメニューではないか。

そして、メンチカツ、のメンチ、とはなんであろうか。
ミンチ、で、あろうか。

子供の頃、紙のメンコ(あの、ひっくり返して遊ぶ紙の)のことを、
メンチ、などともいうことがあったのだが、
メンコのような形をしているから、メンチカツ、と
いうのかと思ってもいたが、まあ、そうではあるまい。

挽肉のミンチ、であろう。

そんな、ゴタクはどうでもよい。メンチカツはうまい。

なかでも、この、上野、肉の大山の特製メンチカツは、
別格に、うまい。



肉の大山
TEL 03-3831-9007
〒110-0005 東京都台東区上野6丁目13−2



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