断腸亭料理日記2007

神楽坂から、蔵前。御蔵前・

江戸蕎麦手打處・あさだ その1

2月19日(月)夜

さて、今日は、なにを食べようか。

そばが食いたかった。

以前から、近所であるが、なぜだかいけなかった、浅草橋(蔵前)の
そば屋、で、ある。
つまみもあって、なおかつ、江戸からある、老舗。
趣味そば、のようで、そうでない?

どうやっていこうか。
浅草橋であるので、一度、大江戸線で、新御徒町まで帰り
そこから往復歩いてもよいのだが、同じところを歩くもの、
おもしろくない。

総武線でいこうか。

今週は、土日、歩いていないので、
まずは、牛込のオフィスから、飯田橋駅、神楽坂下まで、歩く。
牛込中町を抜け、クランクの坂。
このあたりは、町の名前も道筋も、ほぼ、江戸のまま。
牛込界隈は、土地の人々の反対で、戦後、各地で機械的に行われた
町名変更はされなかった。
納戸町、払方町、箪笥町、細工町などなど、江戸の頃の
町名がそのまま残されている。
こういうところがあると、なぜ?ほとんどの東京の町々が
変えられてしまったのか、わからなくなる。
これでも問題なかったではないのか!なので、ある。

神楽坂付近江戸の地図


ともあれ。
牛込中町をはさんで、北町、南町と、幕府御徒組の組屋敷。
今、御徒町といえば、拙亭近所の、下谷御徒町、であるが、
御徒組の組屋敷は牛込にもあった。
ここは明治以降も、下谷御徒町とは異なり、今もって
山手のお邸町、で、ある。

クランクの坂を降りると、神楽坂の裏通り。袋町。
同じそば屋だが、趣味そばの、蕎楽亭などある。
(どうも、まったくここは、相性が悪い。)
町名はすぐ、神楽坂になる。
裏通りから、坂の途中で、神楽坂の表通りに出る。

江戸の頃は、神楽坂、という町名はない。
なかったが、坂の名前は、神楽坂。
近くに本多横丁などという路地に名前が残っているが、
ここの一画には本多(対馬守)家下屋敷があった。
他には、中小の武家屋敷と代地。明治になり神楽坂になっている。

毎度お馴染み、ご存知の通りここも花街。
江戸の頃も毘沙門様、善國寺の門前は(岩戸町他)は賑わっていたようだが
基本的には、前述の通り武家屋敷主体の町で、花街としての成立は、
明治以降ではないかと思われる。

神楽坂組合HP

(これによると、安政四年に開かれた、という。
それでもまあ、幕末である。)

神楽坂、と、いうと、今、いかにも江戸っぽい町のような
イメージかもしれぬが、最盛期はやはり、昭和初期。
戦後も、昭和30年代まで栄え、当時で芸妓200名。
堂々たるものである。
(逆にいうと、筆者の自論であるが、昭和30年代まで
東京には“ある種の”江戸があった、ということにもなろうか。)
『あなたのリードで、島田〜もゆれる、、』。
「ゲイシャ・ワルツ」(神楽坂はん子、昭和28年)は、
歌だけであれば、筆者でも知っている。

作家や脚本家に好まれたのもこの町の隆盛の一因であろう。
寅さんの山田洋次監督も
ここにこもって、脚本を書いていた。(今でも?)

坂を降り、坂下。外濠通りを渡る。ここは、牛込御門。
今の名前は、牛込橋。

飯田橋駅西口から、総武線に乗る。

水道橋、お茶の水、秋葉原、浅草橋、で、ある。
浅草橋駅は、東口、先頭車両、から降りる。

出たところは蔵前通り(江戸通り)。
江戸の頃は、瓦町。
先日書いたが、江戸初期、このあたりでも瓦を焼いていた、
と、いうことである。

左にいく。しばらくいくと、須賀神社という神社がある。
江戸の頃は、天王社(牛頭(ごず)天王)。
明治になって須賀神社という名前になった。
町名も天王町から、須賀町に変わる。

また、昔(震災まで)、このあたりには、閻魔堂があって
有名であったようである。
圓生師の「松葉屋瀬川」なんという噺に出てくる。
(長い。人情噺というジャンルに入るのであろう。
お馴染みの一八とはちょと違った幇間が出てくる。
圓生師ならでは細かい描写。好きな噺、で、ある。)

さて、この須賀神社の少し先、道の向こう側(東側)、
このあたりから北側へかけて、江戸期、幕府のいわゆる浅草御蔵、
米倉があった。


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今日はここまで。続きは明日。

P.S.

今日は、6時前に起きて、FM東京の生電話取材。
一日眠かった、、。聞かれた方は、おられようか?
(内儀さんに「何者だよ、お前は!」と突っ込まれたが、
怪しい奴かもしれない、、、。)



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