断腸亭料理日記2006
2月12日(日)夜
ここは、浅草駒形、むぎとろの支店。
おしゃれなバーカウンターもあったりする、串焼きの店。
むぎとろの支店でもあるので、看板のむぎとろ、も、食べられる。
駒形のむぎとろ本店は、4月まで改装中で、ある。
少し前から、むぎとろ、が、食べたいと、思っていたところ
改装中であるため、この「芋と串」の方へ来ようと思っていたのである。
昨日(土曜日)、妻とともに、仕事の後、行こうと思っていたのであるが、
電話をしてみると、一杯で入れなかった。
いつもは、そこまで混んでいる店ではないが、
今は、本店が休みだからであろう。
今日は、早めにTELし、予約をしておいた。
むぎとろ本店は、駒形堂の隣り、江戸通り沿いであるが、
こちらは、町名では、雷門二丁目。
本店から、東武浅草駅の方に江戸通りを行き、
路地を隅田川の方に入ったところ。
(隅田川に面している。)
本当に、今日は寒い。
不精をしてタクシーで来てしまった。
(むろん、ワンメーターの距離である。)
ここは、随分以前から、来ていた。
浅草でも夜が比較的遅い(23時まで)ため、
むぎとろを食べるというよりは、妻と共に、呑みに入る。
バーとしての、使い方、で、あった。
串焼きは野菜、肉、魚など、材料を大きな笊に載せて、
テーブルまで見せに来る。
酒はバーでもあり、カクテルなどもある。
むぎとろなどは、本店と同じ値段であるが、
基本的に、酒なども含めて、値段は高目。
調子に乗って串焼きをバンバン頼むと、けっこうなことになる。
テーブルを予約しておいたので、
隅田川側の席であった。
とはいっても、高い堤防の下で、隅田川が見えるわけではない。
まあ、今の隅田川が見えてもたいしたことはないが、
それでも見えた方が、まだよい。
ついでだが、このあたりで川が見える食い物屋は、
うなぎの前川、で、あろう。
創業は文化文政期で、落語、子別れ、に出てくるうなぎ屋は、
名前は出てこないが、ここである、と、いう。
今、店は近代的なビルで、昔情緒はない。
座敷が二階になっており、隅田川が見える。
毎度思うのだが、この隅田川、なんとかならないものであろうか。
季節はこの先、「春のうららの隅田川」。
名にしおう、桜花の名所である。
今、川の直近は、歩道になっているが、これもコンクリート。
そして、高いコンクリートの堤防で固められ、情緒もなにもない。
川辺には葦が茂り、土のある河川敷に戻せないであろうか。
今、国土交通省は、そうした試みも始めている、やに、聞く。
川辺の植物は、川の水を浄化する効果もある、という。
護岸工事のされる前の隅田川は、もう少し、川幅が広かったようである。
狭く、コンクリートで塗り固めてしまった川は、
今さら、広く、土のある岸に戻すことは、難しいのかも知れない。
しかし!、それでも、なんとかならないのであろうか。
国交省、なのか、石原さん、なのか、、。
東京で、最も文化的に、歴史的に大切な川は、隅田川であることは
みな、異論はなかろうかと思う。
永井荷風先生が、東洋のベニス、と書いた、水郷の街、江戸、、
にまで、戻したいところだが、そこまではいわない。
遊歩道にした、近年の努力は認める、が、
しかし、コンクリートの殺風景な隅田川であることは、
まだまだ、かわりない。
「台東区の旧町名を復活させる会」に加えて、
「隅田川の岸を土に戻す会」を設立しようか。
いつもながら、余談が長くなってしまった。
「むぎとろ・芋と串」で、あった。
締めは、むぎとろ、にするとして、
串焼きを少し頼もう。
笊に載せられてきた野菜からは、
銀杏、しいたけ。
肉からは、つくねと、ぼんじり。
そして、今日は少し、豪勢に、魚は、キンキ一匹。
これは、煮魚。
(ぼんじり、とは、鶏の尾っぽあたりに肉である。
1羽から少量しか取れないため、ちょっと希少品。
味は、脂のある、ナンコツ、という感じ。)
冒頭にも書いたが、
これだけ頼むと、けっこうな、ことになる。
(ことに、キンキが高かった、、、。)
最後に、予定通り、むぎとろを食べて、終了。
むぎとろは、本店と同じもの。これもうまい。
ここの場合、値段が値段である。
串焼きも、まあ、そこそこ、うまいのは、当然であろう。
今日は、そもそもは、むぎとろを食うのが主題であったが、
たまには、こんなのもよいであろう。
(ちょっとおしゃれなバーとして利用するのも可であろうが、
むぎとろだけを食べる、と、いうのは、ちょっと、雰囲気的に
難しいかもしれない。
まさか、断られはしないと思われるが、、、。)
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