断腸亭料理日記2006

元浅草・手打蕎麦・与之助

4月5日(水)夜

夜、鮨が食いたくなり、会社帰り、自転車で、合羽橋・太助寿司
へ行くが、休み、、。あれ?今日は火曜日ではなかったのか、、。
水曜日、で、ある。太助は水曜定休。
うかつにも、今日は完全に、火曜日だと思い込んでいた。

先日初めて行った、観音裏の一新
は、どうかと、TELしてみるも、一杯、とのこと。
しばらく思案。さっぱりしたもの、がよいのである。
うなぎ、天ぷら、洋食、、、でもない。
20時すぎ、という時間である。
結局、拙亭近所まで戻って来てしまった、、。

と、いうことで、手打蕎麦・与之助、で、ある。

2005/02/04

初めて来てみたのが、昨年。開店は、一昨年ということになろう。
筆者の定義では、いわゆる、コンクリート打ちっ放しの、
趣味蕎麦、で、ある。

しかし、あまりにも、拙亭に近いこと、この界隈にしては夜が
遅いこと、から、便利で、ここには書いていないが、
結構来ているのである。

妻などにも、「嫌いなのに、なんで行くのよ?!」
と、いわれたりしてきた。
しかし、便利さには勝てない。安くもないが、
同町内で、遅い時間、一杯呑んで、そばが食えるのであれば、
多少の居心地の悪さと、つゆの薄さも我慢しよう、ということ。
思い出したように、ぽつぽつとは、来ていた。

しかし、このところ、少し様子が変わってきたように感じ、
今回、この日記に書くことにしたのである。

まず、「薄い!」と、感じていた(書いた)盛系のつゆの味が
多少濃いように感じられるようになってきたこと。

もう一点。態度が変わってきたこと。
これは筆者にとって大きな変化である。
当初感じていた、趣味蕎麦系にありがちな、お高くとまった感じ
が少なくなり、腰が低く、なってきたこと。
(あらためて書くまでもないことだが、少なくとも、店を出るとき、
挨拶を気持ちよく、きちんとするようになった、ように思われる。)

しかし、まあ、これは筆者個人の主観である。
態度など、人によって感じ方は異なることであろうから、
最初から、そんなことを感じていない人もいたのかもしれない。
または、そういうことを気にしない、
あるいは許す人もいるかもしれない。

基本的には、一杯呑んで、そば、である。

今日、頼んだのは、ヱビスの生。
そして、つまみは「あさりと三つ葉の江戸浸し」と、いうもの。


三つ葉のおひたしに、湯がいた剥き身のあさりが添えられている。
盛り付けもきれい。
味付けは、からしじょうゆ。
三つ葉と、あさりの剥き身、という組み合わせが、江戸、と、
いうことなのであろう。
どちらも筆者の好物でもある。
さっぱりしており、なかなかよい。

さて、そば。

ここではいろいろ試したが、まだ未経験のもの。
メニューではウリのようであるが、黄金盛り、というのにしてみる。


これはびっくり。
つけ汁は、なんと、澄んでいる。
いわば塩味。
そば屋で、塩味のつゆ、というのは、筆者初めてかもしれない。
豚肉の細かく切ったものと、三つ葉、水菜、万能ねぎが浮いている。
また、胡椒なども添えられており、入れてみる。

そばをつけて食べてみる。
おお!、これは、なかなか、うまいぞ!

出汁は豚だけではなかろう。そば屋であるから、当然、鰹や鯖など
魚介類系もベースであろう。
しつこ過ぎず、また、満足感も高い。

つゆも、そば湯で割って、全部飲み干す。

うまかった、うまかった、、、、。
勘定は¥2100。

うまかったのだが、よく考えると、
これ、そばでなくとも、よいのでは?、で、ある。

むろんのこと、ここのそばに最適化されている味なのであろうが、
ふと、天神下・大喜の塩つけ麺を思い出してしまった。

ともあれ、いろいろ書いているが、元浅草・手打蕎麦・与之助、
ご店主はお若いと思われるが、心情としては、がんばってほしい。
同町内に住む者として、応援したいのは本心である。



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