断腸亭料理日記2005

浅草・インドカレー・夢屋

11月12日(土)昼

たまには、浅草のことも書いておかなければ、いけない。

先週、九日は一の酉(いちのとり)であった。
今年は、酉年のお酉様で、少し、特別らしい。

筆者は、お酉様は行ったり行かなかったり。
サラリーマンで、商売をしているわけではないので、
特に毎年、熊手を買い行くという習慣にはなっていないのである。

しかし、やはり、お酉様というのは筆者には浅草のいろいろな行事の
なかでも、少し特別である。

酉の市は、浅草でも千束。鷲(おおとり)神社(長国寺)。
市は、九日の午前零時から始まり、熊手を売る露店は、24時間寝ずに
開かれている。

毎年のことであるが、浅草界隈の人出はすごい。
国際通りや言問い通り、馬道あたりまで、夜になると車も多い。
(タクシーなどでは、とても近づけない。)

酉の市は、11月の酉の日に開かれる。
三の酉まである年は、火事が多いなどと昔からいわれてもいる。
今年は二の酉までである。

酉の市は、秋、収穫を終え、暮れから新年を迎える準備の市、
いわゆる、歳の市と、いうことなのであろう。

東京近郊、関東一円でお酉様の市は立つが、
もともとは、農民達がその年に採れたものや、
様々な農具を売ったり買ったりする、そんな市、であった。

今でもその名残なのであろうか、
浅草のお酉様の露店(夜店)でも八頭
(やつがしら・大きな里芋である。
八頭というと、おでんや、雑煮にも入れたりもする。)などを
売っていたりもする。

お酉様の夜店はなかなか、盛大である。
もちろん、八頭以外にも、七色唐辛子を調合して売る店やら、
鮎を焼いていたり、呑んだり食ったり、楽しいものである。

お酉様は、都心では新宿(花園神社)などにもあるが、
やはり、浅草がよい。

お酉様の声を聞くと、木枯らしも吹き始め、寒くもなる頃。
今年ももうわずか。あわただしくなってくるなぁ、という、
浅草には欠くことのできない、風物詩。
人出も多いのだが、筆者には、ちょっと、寂しく、暗い思いも
いだかせるものでもある。場所のせいであろうか。

(今年の、二の酉は、21日(月)である。)

閑話休題。

土曜の午後昼下がり。

カレーが食いたくなった。

天気もよい。自転車に乗って出かける。
風が強い。今日は木枯らし一番、らしい。

伝法院通り。
馬道側から回る。

浅草あたりは、ほとんど平坦のようなイメージがあるが、
実は、そうでもない。自転車で走っているとわかるが、
国際通りから、東、隅田川方向に、ゆるい昇り坂になっている。
向かい風が強いと、よりこれが強く感じられる。

馬道通りから、仲見世側へ入り、二軒目であろうか。
カウンターとテーブル数卓。小さな店である。

ここはいつ頃できたのであろうか。
浅草では、比較的有名なインドカレー店であろう。

インドカレー店であるが、いわゆる、インド、インドした、
インドの方がやっている店ではない。
日本人のお父さんとお母さんで、ある。

チキンカリーを、激辛(¥30増し)でもらう。


少し、赤味がかった色、である。
激辛、と、いっても、さほどの辛さではない。
赤味はカイエンペッパー(赤唐辛子)であろうか。
トマトの味が強いわけではない。

シナモンなどもホールで入っているが、
なにかのスパイスが特徴的に、立っている、と、いう感じでもない。

いたって、ノーマルなインドカレーであろう。
(ご飯が、妙に、と、いうのもへんだが、うまい。)
安心できる味である。


帰り道は、仲見世から、六区を抜けて、帰宅。




夢屋
住所 東京都台東区浅草1−35−8 
電話 03-3841-1681





『募集』
「断腸亭に食わせたい店、もの」、随時、大募集。
あなたのお勧め、ご紹介いただければ、うれしく思います。
その他、ご感想、ファンメール(?)も是非!!

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2005