断腸亭料理日記2005

浅草・洋食・グリルグランド

8月3日(水)夜

フライ物である。

ちょっと前から、なぜか、
フライ物が無性に食べたくて、来てしまった。
自分でも理由はよくわからぬ。
蒸し暑い日が続いているが、そのせいであろうか。

フライ物といえば、迷うことなく、ここ以外には考えられない。

浅草も観音裏という一郭である。
ゴロゴロ会館の通りに、柳通りというが、
つくばエクスプレス開通歓迎、の、横断幕が張られている。
(このあたりも、関係あろうか?)

前回、1月であった。

19時半頃、到着。

ウイークデーのこの時間は、さほど、混んではいない。
いつものように、柔和な顔の小太りのシェフ・親爺さん、
女将さん、若い娘(孫?)さんが迎えてくれる。

ビールをもらって、お目当ては、ミックスフライである。
ライスはやめて、替わりにサラダをもらうことにする。
サラダは、一人前用の、ハーフ、と、いうのがある。
ミックスサラダのハーフ。

サラダ。

サラダは、始めてもらったと、思うが、
表面に細かく線状にマヨネーズが散らされ、きれいである。

ホワイトアスパラ、湯剥きされたトマト、いんげん、
きゅうり、レタス、など。

下のレタスまで、きちんとドレッシングが、かけ回されている。
このあたりは、大事なところである。
ドレッシングのかけ過ぎもいけないが、下の方は味がしない、
と、いうのも、よくあり、いけない。

一度、ドレッシングで合えてから、盛り付けている、
と、いうことであろう。
また、きゅうりも面取りがされ、サクサクとし、うまい。

さてさて、ミックスフライ、で、ある。

真打登場である。
静々と、白い皿が運ばれてくると、自然と、顔がほころんでしまう。

ご飯はもらわなかったが、お新香だけは付いてくるようである。

ソースをかけ、皿のはじにマスタードを取って、
さて、どれから食べようか。

右利きであるせいか、いつも、右側から食べ初めてしまう。

右手前の丸いもの。
下に、タルタルソースが敷かれている。

そうなのである。今、改めて気が付いたが、普通であれば、
掛けられているのであるが、ここは、その目当てのものの部分だけ、
皿の上に敷いて、上に載せてあるのである。
なにか意図があるのであろうか。

ん?、これはなんであろうか。
冬であれば、牡蠣フライの場所であると思われるが、、。
白身?

トロッとし、みずみずしく、とても甘い。

おお、これは、貝柱。ホタテであろう。
半生なのか、生なのか、いずれにしても、すばらしい。

もちろん、衣はパリッとサックリ。
食べているうちに、はがれてくるようなこともなく、
日本一食感のよい、衣である。
(当然であるが、この衣の食感は最後まで、続く。)
まさに、堪能。

その上が、えび。
半分に切られている。
これも同様の衣に、車海老なのであろうが、
実に、コクのある味である。
ベチャベチャした感じなどとは、まったく無縁な
充実したエビフライなのである。

ちょっと、箸休めに、お新香をつまんでみる。
ライスがないのに、お新香だけが出てきたというのも
どうしたものかと、思っていたのだが、
どうしてどうして、これだけ食べてもなかなか、よい。

きゅうり、蕪、同じくその葉っぱ、沢庵。

糠漬けであると思われるが、
まず、通常の和食のものよりも、切り方が大きい。
古漬けではないが、水気が、気持ち少ないように感じる。
音で書くと、シャキシャキではなく、サクサク。
塩気ではなく、お新香としての味が濃い目。
ピクルス、と、いうのではないが、こうした洋食に合うように
考えられて、漬けられているのであろうか。
このフライものの腕である、あながちかいかぶり過ぎではなかろう。
やはり、端倪すべからざるものがある。

さて、フライに戻り、左手前の四角いもの。
うん。白身である。

毎度、疑問に思われるのだが、なんであろうか。
どうも、鯛、が多いらしい。
いつも、ちょっと、わからないのである。
白身魚のフライというと、中身は、多少は水っぽい感じがある
のであるが、海老の場合と同様、まったくそれがない。
柔らかい肉、とまではいわないが、とてもしっかりした食感なのである。
かといって、もちろんパサパサ、と、いうのではない。
じんわりと、うまい。

最後が、二つに切られたカツレツ。
厚みは、7〜8mmであろうか。
これも、いつも、どちらか、わからなくなるのである。
色からすると、多分、豚ひれ、なのかと思う。
しかし、旨みのある味、だから、、なのであろうか、
牛といわれれば、そうかも知れぬ、と、思ってしまうような
味なのである。
(むろんのこと、牛の方がよい、と、いっているのではない。)


すばらしい、ミックスフライ。

この値段なのだから、あたり前であろう、
などとは、断じて思わない。

値段を超越した、間違いなく、東京一の、
ミックスフライであるはずである。


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ぐるなび




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