断腸亭料理日記2004
6月30日(月)夜
帰途、御徒町に寄らなければならず、途中下車。
開店はいつ頃であったか?
昨年であったろう。新宿の人気店が鳴り物入りで御徒町に。
ラーメン不毛地帯と言われた(?)上野、御徒町界隈に
新風を吹き込んだ、などと、週刊誌でも書かれていた。
以来、いつも、前を通るたびに、長い行列であった。
さすがに、みな、こう暑くなってくると、
ラーメンどころではないのであろう。前を通ると、列はない。
まあ、入ってみるか。
空席もある。
黒、白、赤、それぞれの煮玉子入り、チャーシュー麺。
何の予備知識もなく行ったため、皆目わからない。
とりあえず、黒の煮玉子入りにしてみる。
それにしても暑い、、。
カウンターで、ドアも開け放しているため、かなり暑い。
運ばれる。
太麺。なるほど、スープが黒い。
背脂が多く浮いている。
スープを啜る。
魚介系のだしである。そして、この黒は、予想通り、いかすみ。
麺は太いが、当然固くはなく、スープによくからむ。
筆者、実のところ、魚介系のだしは、今一つである。
近所の湯島大喜も基本は、魚介系である。
ここも、魚介系だけではなく、背脂も浮いており、豚骨?など
動物系も入っているのだとは思われる。
また、粒山椒なども、見える。
まずくはない。いかすみも、単なるこけおどし、きをてらって終わって
いるのではなく、全体の味として、まとまってもいる。
それどころか、かなり癖になる方向の味ではある。
しかし、しかし、である。なにか、違う。
考えすぎ。
いつから東京のラーメンは、
こんな方向へ行ってしまったのだろうか。
20年前のラーメンブームの初期の頃から食べていた筆者であるが
5、6年前、2、3年名古屋に行っている間に変ったようにも思う。
桂花、元祖恵比寿、千駄ケ谷ホープ軒、香月、、、がんこ、
なんでんかんでん、二郎、横浜家系、、、。
このへんまでは、よい。
以前に住んでいた近所の、葛飾立石「けんけん」で最初にそんな
感じを受けた。ここ(武骨)も湯島大喜もそうだと思うが
もはや、なにが入っているのかわからないような、複雑な味に
なっている。
魚介、豚骨、鶏がら、各種野菜など、だしのベースに、
醤油、塩はもとよりみそ、、などの様々な調味料、香辛料。
さらに、ねぎ油、にんにく油などなど、、の調味油
(今日の武骨はいかすみ調味オイル)、それに薬味、具材。
これらのラーメンを構成している要素。
今の、新しい店は、これらのそれぞれの要素に、
考えられる限りの様々な材料を縦横無尽に組み合わせ、
新しい味を産み出そうとしている。
そうしないと、客を呼べないのか?
話題にならないのか?
ラーメン四天王であったか、、?
TVチャンピオン。
の、影響?
複雑になることのリスク。
ピントがぼける、ことは間違いない。
また、味見をするのもたいへんではなかろうか、、。
毎日同じ味が再現できているのであろうか?
悪いとは思わぬ。全体としてはまずくもない。
大喜は列も少ないこともあり、たまには行く。
しかし、この武骨。
今の行列に並んでまで、通う気にはならない。
(おすすめではないので、地図は入れません。)
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