断腸亭料理日記2024
4534号
3月31日(日)第一食
開花宣言も29日に出て、やっと本格的に春、か。
季節が進むと、魚介類も変化する。
と、いうことで、鮨、で、ある。
3月の頭にきていた。
14時すぎ。
よい天気。
さすがにもうコートはいらない。
いや、それどころではない。
最高気温、28.1℃(13時32分)。
極端である。
雷門の立ち喰いは入れるであろうか。
相変らず、界隈はごった返している。
ガラス越しにのぞいてみると、一人くらいは
入れそうか。
開けてみる。
一人、というと、カウンターの一番手前が
開いているよう。
荷物をおろす。
おしぼりが出てくる。
手と顔も。
天気がよいと、やはり花粉がひどい。
ビールをもらう。ここは生のみ。
いつも通り、いかと白身から。
すみいか、活〆平目、鯛。
すみいか、というよりは、紋甲いか。と、いうのも
へんかも知れぬが、ともかくも大きいものであろう。
ただ、薄く切ってある。
平目も鯛もうまい、のだが、腹が減っていて、
なんだかバクバクと食べてしまう。
まあ、にぎりの鮨というのは、だらだら食べる
ものではない。そう、これは、池波先生の教えでもあった。
呑みながら、喋りながら、握ってもらったものを
いつまでもそこに置いておくのは厳禁、で、ある。
勘違いをしてはいけない。そもそも、そばやも同様だが、
呑みながらだらだらいるところではない。
酒なら一合、ビールは一本まで。
鮨やなら、あとはお茶。
酒が呑みたければ、居酒屋か料理やへ行け!。
おまけに、こんな立ち喰い、店にも迷惑である。
さて。
次は、光物だが、光物と白身の中間(?)から。
お!、やっぱり、顔ぶれが変わっている。
さより。
さよりの旬は春と秋、と聞くが、やはりこれを見ると
春になった気がする。
さよりは光物に普通入れるが、味はほぼ
白身、で、あろう。
と、いうことで、
白身と光物の中間。
さよりと、しまあじ、かんぱち。
しまあじ、かんぱちは、普通はどちらかといえば、
白身に入れるが、私は光物に入れたい。
さよりは、おろし生姜をのせている。
さよりだけ妙にちっちゃい。
魚が小さいのであろう。
この時期、さよりは脂がのる。
むいてしまう皮との間に脂がある。
皮だけ串に巻いて焼いたりしても、うまい、
のである。
しまあじ、かんぱち、も、ぷりぷりで、うまい。
次から正調、光物。
品書きホワイトボードの端から、いこう。
〆鯖、鰯、鯵。
光物=青魚、というのは、魚の中でも大好きだし、
にぎりの鮨でも、もちろん絶対的に欠かせない。
なぜか。
もちろん、うまいから。
そして、なにより安い。
また、光物は刺身もうまいが、にぎりに
するとよりうまい。これも大切なポイント、
で、あろう。
特に〆鯖というものは、棒ずしの京都はむろん、
全国にあると思うが、鯖は酢〆にしてうまいし、
酢飯との相性は抜群である。
ともあれ。
鰯も鯵も厚く切られている。
やはり、安い魚だからこそ、といってよかろう。
鰯は柔らかく、鯵はプリっとした食感。
光物のにぎり鮨として、十二分にうまい。
ここの〆鯖は、比較的水分多めに〆られている。
水分多めといっても生の部分があるわけではない。
きちんと全体に酢は入っている。
私が〆鯖を作っても最近はこんな感じであった。
たっぷりの塩で水分を抜いた後、酢100%ではなく、
水50%で割ったもので漬けている。
最近は皆こんな感じなのかもしれぬ。
そういえば、他の鮨やといえばこのご近所の
[美家古寿司]くらいにしか行かなくなったが、
あそこには〆鯖をあまり見た記憶がないような
気がする。本来の江戸前には〆鯖はないのか。
東京湾では鯖は獲れない?
今度聞いてみようかしら。
つづく
台東区雷門2-18-12
03-3847-7139
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