断腸亭料理日記2024

二長町・らーめん・天神下大喜

4522号

3月6日(火)第一食

さて、二長町[天神下大喜]。

ちょっと久しぶり。

このところ、ここの看板ともいえる、塩系をなん回か
食べたが、今日は、しょうゆにしよう。

ここのしょうゆ、というのは券売機には一つ
しかないのだが、薄口と濃口、麺が細麺と
太麺と計、4種類の味、ということになる。

毎度書いている通り、前にもここのしょうゆは
なん度も食べているのだが、少し間があくと、味や
内容が変わってしまうので、都度初見状態、なのである。

やはり、こういうラーメンやは少なかろう。

いつも基本同じ麺で同じ具で、同じスープ。
行く方は、これを期待して行く。
それがうまい、と思ったから。
そういうものだし、そうあってほしい、と思う
ものであろう。

だが、ここのご主人というのは、そういう一般的な
ラーメンやとはなにか、本質的に違っている、
のであろう。
いつもいつも、満足せずに常に、新しいものを
考えている。もちろん、こうしたらうまいだろう、
と考え、変えている。立ち止まらない。
きっと、ご主人には完成形がない、のである。
職人?、アーティスト?。
わからぬが、これが私には[天神下大喜]の
魅力、なのである。
愉しいではないか。いつも新鮮。

ともあれ。

今日は、しょうゆ、濃口、太麺。

おそらく、この組み合わせが私の選択では
一番多いのであろう。
薄口といわれると東京者なのでどうしても頼みずらい。

海苔、かいわれ、メンマ、なると、チャーシュー、
そぼろがのる。

かいわれはラーメンではあまり例はないのではなかろうか。
また、ねぎは入っているが、東日本の白ねぎではなく、
細い万能ねぎの青い部分が少し。
また、ここ、青みは、小松菜を多用していた思うが、
これには入っていない。

麺。

太麺といっても、平べったい縮れ。

スープは、、、、?。
魚介系が入っているのは、なんとなくわかる。
だが、鶏?、わからぬが、かなり複雑なのであろう。
私などには到底、判別などできない。
濃口、といっているが、濃いのは色のみで
塩味はノーマル。

食べていて、気が付いたのは、生姜。
スープにはかなりの強さの生姜の風味がある。
あまりにも、バランスがよいので、最初は
気が付かなかったほど。

書いたように、以前食べたものと同じかどうかは
まったくわからぬが、これはこれとして、
極上のしょうゆラーメンである。

さて、もう一杯。

3月11日(月)第一食

[天神下大喜]のしょうゆ。
また、行ってきた。
やはり、濃口だけ食べていては、いけなかろう。

薄口も。

薄口で、細麺。

のっているものは濃口とまったく同じように見える。
海苔、かいわれ、メンマ、なると、チャーシュー、
そぼろ。
いや、そうではないか。
こちらには、前回なかった、東日本の白ねぎの
みじん切りが、それとわかるほど、散らされている。

ご主人の気まぐれか、それとも、計算しているものか。

麺。

細麺。博多ラーメン程度の細さか。

問題の薄口のスープ。

上の写真と比べて見るとなるほど、気持ち薄いか。
ただ、思ったほどではないと感じる。

そして、飲んでみると、まったく薄くはない。
塩味はむしろ強いか。比較ではなく絶対値として。
濃度は濃口とあまり変わらない程度かもしれぬ。
そして、感じるのは、海老の風味。
これは、明確に違うのがわかる。

そして、濃口で感じた生姜は、こちらにはなし。

海老以外のベースはなんなのかは、やはり私には
まったく判別はできない。

ただ、やはり薄口も、とてもバランスがよく
とんがった部分はほぼない。まとまったうまい
しょうゆラーメン。

さて。
しょうゆラーメンというもの。
まあ、東京では定番で王道の味。
だが、今の東京でしょうゆラーメンというものの
味は、気付きにくいが、驚くほどのバリエーションが
できていると思われる。

思い返すと、20年、30年程以前、恵比寿に
[恵比寿ラーメン]という店ができて、大きな話題に
なった。
その後、浅草千束あたりに移転し、私もよく行った。

最初に食べた時には、なるほどと感動したものである。

それ以前の東京のしょうゆラーメンというのは、
鶏ガラ+野菜のスープでしょうゆの味が勝っていた。
支那そばといわれた時代からのものであろうか。

うまみを出すためしょうゆを立たせるのはおそらく
簡単なこと。当然、同じような味になる。[恵比寿]
のものは、このしょうゆが立っていなかった。
他のものでうまみを足していたのか。
しょうゆラーメンというもの、目立たないが、
ここがスタートであったのか。

 

台東区台東2-4-4
TEL 03-3834-0348

 

 

 

 

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